放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

「俺たちの旅」中村雅俊さん、カースケのミリタリージャケット!

 昭和55年。東海大学落語研究部一年の頃。先輩達はドラマ「俺たちの旅」で、中村雅俊さん演じるカースケが着用していたグリーンのミリタリージャケットを着ていた。

 その頃は、数人だったが…。聞くとドラマが放送された頃は、ほぼ全員が同じジャケットだったという。

 ドラマの放送当時。毎週、見終わると同じ焼き鳥屋に集まり、ドラマの感想を語り合い。「青春だな~!」感動していたそうだ。

 

 このミリタリーのジャケットは、今では定番の人気アイテム。ファッションブランドも多く出している。しかし、当時、先輩達が着ていたものは米軍の古着。住んでいた小田急相模原の近く、横田基地のバザー(年一のお祭の様な日「独立記念日」か?)に皆で行って購入したそうだ。

 私は、この「俺たちの旅」ジャケットがとても魅力的に思えた。カースケのあの自由で荒々しい青春の象徴である。ならば買えば良いのだが…。ネットの無い当時。どこで売っているかも分からないし…。横田基地のバザーを調べる手間も惜しんでしまった。さらに、バイトもしない落研生は値段によっては手が出ない。食事の他の出費は飲み屋と寄席のどちらかしか許されなかった。

 

 落語家の桂竹丸師匠に伺ったことがある。学生時代・駒澤大学落研の竹丸さん(花駒さん)は、関東の落研で知らない者はいない有名人。スーパー大学生で、東京の落研上方落語をやっている学生を統一して毎年「上方落語会」を開催していた。学校を超えた関東のドンである。

 竹丸さんのお話では…「東京落語会とか東横落語会(プロのホール落語)とか行くと、客席に緑の服の怪しい軍団が居るのよ!みると、東海!みんな、軍服着てるの!あれは、異様だったなー!」

 

 外部の方には異様でも…。私には羨ましかったのだから、人の趣味とは分からないものだ。うちの学生に中村雅俊が居ればカッコよく見えたと思うが…。ワカメみたいな奴ばかりだ。それは、仕方がない。

 

 10年程前。とある街を歩いていると…。古着の期間限定ショップがあった。何気なく見ると…。あの、ミリタリージャケットが数十着並んでいる(どこかで書いた気もする)。

 普通、あのジャケットは中古でも6~7千円。良いものは1万円以上する。それが、米軍払下げでの本物で…。三千円均一…。「なーなにー?やっちまったな!男は黙って購入!」とばかりに買ってしまった。実は家には新品(高額)で買ったドイツ軍の公式ミリタリージャケットがあるのだが、この古着はカースケと同様のアメリカ軍タイプだ。またも無駄遣いである。

 このアメリカタイプは、今も時々着ているが若者や女子に評判が悪い。「オッサンが、いや、お爺さんが汚い格好をしている」と思う様だ。

 

 「俺たちの旅」は、いつも理解されない若者の心の叫びなのだ!

 

 

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「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」も出てます。

 

直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

安いです。上→200円。中→300円。下→300円。

「放送業界編」800円(高そうに見えますが、上中下に分けていないので、枚数と値段は同等です)

 

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