放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

何?!新宿紀伊国屋書店の地下が・・・

 今、ネットを見ていたら「新宿紀伊国屋書店」の地下飲食街が無くなるそうだ。

 

 ここには、東海大落研出身の私としては数々の思い出がある。大学一年の頃。初めて紀伊国屋寄席に行った時も、この地下でスパゲティを食べた(昭和五十五年)。

 落語の方は、誰を観たかまったく思い出せないが…。田舎者が気軽に入れるのは、この手の店に限るのだ。

 

 我々の落研では、落語と言えば新宿だ。小田急線一本で行ける唯一の大都市。落語鑑賞のメインは当然「新宿末広亭」だった。

 お金持ちでオシャレな青学・落研(フリーアナ・森たけしさん等)はホール落語会が多かったが、我々はホールより寄席をメインにしていたのだ(寄席3、ホール1、といった比率)。

 

 やはり、大学1年の頃。三年生の頭下位亭実志(とうかいてい じっし)さんに連れられて、紀伊国屋書店の地下でカレーを食べたことがある。

 

 実「ここのカレー、量は少なめだけど、サラッとしてうめ~んだよ!」

 黒(私・黒舟)「そうなんですか!本当だ!家で食べるのと違いますね!」

 実「お前、外でカレー食ったことないのかよ?」

 黒「外で食べたのは、蕎麦屋のカレーだけです」(あっ!マキのカレーは食べてました)

 

 私の初カレー専門店は、紀伊国屋書店の地下だったのだ。専門店と言っても、ここは、カウンターだけで半分はオープンになっている極安いお店だが、私には「これが、東京だ!」と思えた瞬間だった。

 

 この実志さんは、千葉の進学校出身で新しいファッションや新スポットにも詳しい、落研のトレンドリーダーだった。以前も書いたと思うが、当時、流行りのジーンズスラックス(ジースラ)、初代のウォークマン、ダウンジャケット、など。落研で初めて購入して、貧乏学生から羨望の目で見られていた。

 

 そんな先輩が推薦するカレーだけに、私には余計に美味しく感じたのだ。今、思えば、この店は他の貧乏な先輩も行っていたのだが、先入観があると印象が変わるものだ。

 

 カレーの後。多分「紀伊国屋寄席」を観たのだと思うが…。これも、どの落語家が出たか全く覚えていない。わざわざ、後輩を連れて行ったのだから、小さん、談志、志ん朝、円楽、馬生、小三治、小朝、(敬称略)あたりの誰かが出ていた筈だが…。

 私はまだ、落語のことが分かっていなかった。

 

 落語会の後。実志さんが言った。

 

 実「チェック、行くぞ!」(初めての部会の後言った「マキ、行くぞ!」と同じ言い方だ)

 黒「どこですか?」

 実「この先に、落研行きつけのスナックがあるんだよ!」

 

 そこは、紀伊国屋書店の正面の道を入った右側のビルの上の方にあった。カウンターの中には若いお姉さんが沢山居て、学生には高そうな店だ。

 

 この店には、クラブのOBのボトルがあった。見ると、ボトルには広島カープのキャップをかぶせてある。

 

 実「これ、独坊さんのボトルなんだよ!」

 黒「そうなんですか…」

 

 独坊さんは、私より八年先輩のレジェンド(以前書きました)だ。多分、ボトルはサントリーホワイトだったと思うが…。

 私は、初スナック。しかも、おネエちゃんの居る店とは、ダブルの衝撃だ!

 

 水割りで飲んだと思うが…。この後の記憶はまったくない。別に酔い潰れた訳ではないが、何一つ憶えていない。

 

 この店「チェック」は、十数年後に見たら「酔虎伝」という居酒屋になっていた。

 

 結論。とにかく、紀伊国屋書店の地下飲食街が無くなる前に、一度、行こうと思う私である。勿論、ソーシャルディスタンスを保ちながら…。

 

 

 

 

紀伊国屋書店の地下が無くなる前に、三人ぐらいは買って欲しい、馬鹿エッセイ!

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