私はパチンコをあまりやらない。二十代の頃、朝一で並ぶと打ち止め出来るパチスロに並んで生活をしたことがあるが(当時、近所の店が朝一は必ず出る設定がされていた。後に営業停止。違法だったかも)…。あまり熱くなった記憶はない。
当然、パチンコの釘も読めないし、打ち方も分からない。
そんな私に、突然! パチンコ番組の依頼が有った。どこから、どうやって私の所に来たのが記憶にないが…。二十年以上前、CSでパチンコ専用チャンネルが出来た時。何本も担当していた。
覚えているものを上げと「ビキニDEパチンコ」これは、イジリー岡田さん司会で、パチンコが出ないとグラビアアイドルが一枚ずつ脱ぐと言う企画。まったく出ないとビキニになってエッチな罰ゲームを受ける。
あと「英語でパチンコ」「フランス語でパチンコ」司会が英語、フランス語を教えながらパチンコをするコンセプトがブレブレな番組。
さらに「パチスロ・オール設定バトル」。当時、パチスロの中には六(五?)段階の確立設定スイッチがあった。設定を知らずにプロが一日中打つとどうなるかを検証する番組。
この番組のお陰で、設定1~2はトップ誌上プロが打っても負けることが分かった(多分、現在の台に設定は無いと思うが)。
中には「TV・キングダム」。イジリー岡田司会で、どこかの街の情報を毎週お届けするという、もはや、パチンコ関係なしの番組もあった。パチンコ専門チャンネルで、よく企画が通ったものである。
また、パチンコ屋さんの社員だけが見る有料テレビ局が放送した「パチンコ情報ステーション」といいう番組も担当したことがある。
この番組は視聴者がパチンコ業者さんだけなので、情報がマアックだった。
パチンコの景品に最適なオシャレグッズの「通販コーナー」があったり。パチンコ店専用の「警備会社のガードマン」の紹介。
これは、元大学の格闘技系クラブのOBばかり所属する会社で、警備員が背広の紳士で、いざとなれば、どんなお客にも対応するという。
さらに、夜中に店に忍び込んで「裏ロムを付ける闇業者の手口紹介」や「裏ロムが付いていないか検査する会社の紹介」など、大変勉強になってしまった。
そんなある日。CSのパチンコ番組をやっていたプロデューサーの紹介で、名古屋のCBCで放送されていた「パチンコNOW2」をやることになった。この番組はテレビ神奈川などでも放送されていた。
ついに、地上波のパチンコ番組まで依頼が来てしまった。
この番組は、導入前の新台を紹介するのがメインなので、機種ごとのスペックを毎回勉強することとなった。
中でも驚いたのは、デジタル・パチンコの仕組みである。デジタルの「大当たり」は、玉がスタートチャッカーに入った瞬間に決定される。
つまり、リーチアクションは後付けで演出しているだけなのだ。この演出の映像の良しあしが人気を左右するのだそうだ。
この番組で、パチンコを製作するエンジニアを取材したことがある。
この方は、国立大の工学部出身でアマチュア芸人としてコントもやっていた人物。
基盤のプログラミングから、映像、音楽まで自作で作っているというのだ。
開発の部屋にはエレキギターやキーボードがあり、開発者と言うよりアーティストといった感じだった。
予算のある会社は、パチンコのキャラクターに「ウルトラマン」や「ルパン三世」「天才!バカボン」といったキャラクターを使用して台を作るのだが、彼の担当は予算を抑えた新台の開発。
そこで、開発者本人の人影をオープニング画面に使ったり、著作権の発生しない自作のBGМを本人の演奏で使用したりしているのだ。
この台には、派手なアニメや演出はないが、開発者の拘りと、手作りの良さが伝わってくる。個人的に応援したくなる一台だった。
私は、この台が発売されてすぐ近所のパチンコ店で打ってみた。開発秘話を知っている為、音楽や登場する人影が全て魅力的に思えた。
パチンコ台は「芸術作品」と同じ。作者の感性が表現されているものだと初めて知った。
私は、それ以来。美術館へ行くのと同じ目でパチンコ台を見ている。
実際にプレイすることはまず無いが、台を見ていると、それだけで楽しいのだ。
いつか、現代美術館にパチンコが展示される日が来て欲しい。そんな思いで一杯だ。
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