30年程前。パチンコの「ブリバリ原始人」で毎日同じ台で、しかも、毎日、二百円で10箱出まくったことがある。それは、一週間も続いた。店員が「不正」と思ったのか、私を観察する様になった。そのうち、いつもの台が空いていない日があり、隣で打った。また、二百円で10箱出た。
店員も隣の人も驚いていた。多分、隣の人は毎日勝つ私を見て、朝一でこの台をとったのだろう。
何故、毎日出たかは不明だが…。私はこの時。人間ドックで「癌宣告」を受けていた。MRIで詳しく調べるのが10日後。そこで、ある人の言葉を思い出した。「人間の運は決まっているので死が近い人はギャンブルに勝つ」という迷信だ。
そこで「パチンコに負ければ俺は癌じゃない」と思って神にすがる思いで打っていたのだ。
すると、連日二百円で10箱。私は「これは、ダメだな!」と勝つたびに落ち込んでいた。MRIの当日。私は早く着いてしまい、病院の近くのパチンコ屋に入った。そして「今、負ければ癌じゃない!」と念を送って二百円やった(別の店・別の機種)。また、10箱でてしまった(何故いつも10箱かというと、私が10箱でやめているからだ)。
追い打ちの絶望の中…。MRIを受けると院長先生が言った。「MRIとったら、まったく大丈夫でした!良かったですね!」「おいおい!じゃあ、宣告するなよ!」。
その帰り。パチンコをしてみた。1万円負けた。それ以来、まったく勝てなくなった。人は「死ぬほどの気迫でやるとパチンコが出る」のだろうか?
後で分かったのだが、この院長は私のレントゲン写真と他の患者の写真を間違えていた様だ。その証拠に、「癌の他に胆石がある」と言ったが、その後のレントゲンでは胆石は写っていない。しかも、その院長は翌年の検査の時「去年、何て言われました?」と聞いた。カルテがあるのにオカシイ質問だ。
私が「深刻な顔で癌だと言われましたけど、MRIやったら違いました」「いや!それはありませんよ!」「胆石があるので、痛くなったら来てください!って言われたんですが…胆石は大きくなってますか?」「えっ!胆石なんてありませんよ!?」この院長、とぼけて誤魔化していた。
ちなみに、毎日同じ台で勝ったあの店は「警察の摘発を受けて営業停止になった」。私が座ったのは客寄せのための不正台だったのかもしれない。しかし、別の店でも出たし、別の人が同じ台に座った時は出ていなかった。店員が監視していたのは気のせいか?
私は景品でとったプレイステーション、サザンオールスターズのベスト二枚組、レイバンのサングラスを今も所有している。
テレビで昔のパチンコを置く店を放送していた。それを見たら、ふと、思い出したコラム…。前にもどこかで書いたかも知れない…。
これ、買わないとパチンコ出ないよ!(運には個人差があります)
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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…
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「放送業界編」800円(高そうに見えますが、上中下に分けていないので、枚数と値段は同等です)
放送作家で専門学校の先生・下村稔さんが「上」に登場する「初めての下宿の描写」を褒めてくれました。私としては意外な部分でした。落研入部前の不安な若者の描写が良かったそうです。
「青春落語バカの楽しいエピソード」有名劇団の主催者や脚本家、演出家絶賛!
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