「そうなの?」
「ネットに釣れた写真が出てるんですよ! 背景から場所を探しましょう」
早速、出かけることにした。
写真を見ると…。対岸に京王閣競輪が写っている。これなら、探せそうだ。車で十分程走ると、その写真の場所は見つかった。
ルアーを投げてみると…。何も反応がない。写真を見て微妙に移動しながら色々やってみるが、全然、釣れる気配はない。
二、三人、我々と同じようなバスルアーを投げている人が居たが、反応は誰にもない。その日、落胆して帰った。
後日、敬太郎君が電話があった。
「釣り雑誌みたら、多摩川の丸子橋下で釣れた写真が載ってます。行きましょう!」
「そうなの?」
早速、出かけた。投げてみると…。何も反応がない。橋の下に居たホームレスさんが迷惑そうに見ている。今日も、ダメだった!
後日、敬太郎君から電話があった。
「小林さん、川崎の鶴見川でバスが釣れるらしいです。ネットにでてました」
「そうなの?!」
早速、出かけた。今度は、道が狭いのでバイクで出かけた。忍者の様に竿を背中に背負って移動するのだ。見ると、川の中にそれらしき魚の姿がある。
しかし、ルアーには何の反応もない。川を下りながら、二時間ほどやったが、何の反応もなく、他に釣っている人も居なかった。
後日、敬太郎君から電話があった。
「やっぱり、近所はダメですね! 秦野市に震生湖ってのがあってバスがいるらしいです」
「そうなの!?」
早速、出かけた。この震生湖(しんせいこ)は地震で出来た新しい湖らしい。行ってみると湖というより沼か池といった感じだった。
ヘラブナ釣りの釣り師が沢山いて、我々が釣れるポイントは少ない。回りが林なので、木をさけてキャストしながら、ぐるりと回ってみたが…。なんの反応もない。
すると、二十メートル先のヘラブナ釣りのオジサンの竿がしなった。そうとうな大物である。見ると、大型のブラックバスがかかっていた。
オジサンは「チェッ! こいつかよ!」とガッカリしていた。
我々、二人は「居るんだ!」と、バスの生息の確認だけはできた。
釣り人とは不思議である。狙った魚以外が釣れても喜ばないのである。私など、ナマズでも雷魚でも釣れると嬉しい。引きが面白ければそれでいいのだ。
釣りの分野で、天才・敬太郎の動物的感は、微塵もなかった!
追伸。先日、桂枝太郎さんが「敬太郎さんの話、楽しいです。昔、観に行ってました」と語っていたので、追加しました。
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