放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

天才!田舎館野田雄(夫)の落語を考察。Wの悲劇…

 FMラジオ「サンデーフリッカーズ」(JFN)にたまに登場する、謎の東北訛りオッサンキャラクター・田舎館野田雄(元々は野田夫だが、今回、スタッフの間違いで「雄」で発表したため、今後は「雄」とする)の落語は衝撃的だ!

 

 東北訛りの謎のキャラが番組を通して登場する、このパターンは並大抵の技量では出来ない。過去、タモリさんが「電気屋のオヤジ」として二時間やった例や、松村邦洋が演じきった例があるが…。その他ではまず聞いたことがない。

 田舎館さんはあくまで実在の人物だが…。そこは、各自理解して欲しい。

 

 中でも、田舎館さんが生で落語を演じたのは神がかり的である(今回二度目)。演劇や映画の世界では「劇中劇」という、役者が演じる役者が舞台(映画)で誰かを演じるパターンがあるが(薬師丸ひろ子の映画「Wの悲劇」がそのパターン)、これは落語の世界では中々ない。落語家を演じる役者が舞台で落語をやるシーンはあるが、田舎館さんの作業はそれを超えている。落語家を演じて落語をやるのは技量があれば出来る。

 しかし…。田舎者の訛りをベースに「全部訛」で、さらに演じ分けをするのは至難の業だ。しかし、田舎館さんは見事に「訛りで別人格を演じ分けている」。

 これは「登場人物の了見」にならないとできない(五代目・小さん師匠の言葉より)。そして、田舎館さんの落語は「上手い」。

 昔は「訛る奴は落語家になれない」と言われた様だ。40年前。学生落語でも訛る後輩に先輩は「うーん!お前の大きな落語会の出演は無いな!絶対上手くはならないから、学生生活を楽しめ!」と言っていた。

 素人でも「訛」の壁は高かった様だ。

 

 しかし、田舎館落語は「江戸落語」「上方落語」と同じように「東北落語」と呼べるものである。もはや、ジャンルを超えたエンターテインメント!「イリュージョン」である。

 

 田舎館師匠の出演は来年もあるのだろうか?それは、誰にも分からない。次の出演の時のアシスタンとは、陽汾(みなみかわ)ひなのさんかも知れない。いや!ダメだ!ニュースを読む人が居なくなってしまう…。

 

※「サンデーフリッカーズ」のリスナー以外の方には、なんだか分からないコラムとなった。たまたま見たみなさん!御免なさい!