放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

水島新司さん…。好きでした……。

 漫画家の水島新司さんがお亡くなりになった。ご冥福をお祈りいたします。

 

 子供の頃。「ドカベン」の連載を読んで柔道に興味を持った。発売日は毎回、ワクワクして駅の売店へと向かった。

 書店は発売日にしか店頭に並ばないが、国鉄の駅の売店だと一日早く買うことが出来るのだ。

 

 「ドカベン」に憧れた私は友達の海野君に誘われて中学の柔道部に入った。すると「ドカベン」は野球へと移行した。当時は「酷いよ!水島さん!」と思ったが…。野球編が面白く、すぐに許してしまった。野球シーンの絵の迫力が凄いのだ。

 

 大人になって放送作家になった時。伊集院光さんのラジオ番組「OHデカナイト」のゲストに水島新司さんがやって来た。私の担当する番組ではないが、別の番組で局内に居たので遠くからスタジオを覗いていた。

 すると対談で水島さんは「ドカベンのストーリーは書きながら決めている」と話していた。私は驚いた!あの名作が計画もなく見切り発車で書いていたなんて…。続けて水島さんは「山田太郎のスイングがいつもより上手く書けた時があって、その時はヒットのつもりだったけど…。このスイングはホームランしかない!と思ってホームランにしたことがあります」(一言一句は適当ですいません)等と語っていた。

 成程…。あのハラハラする展開は作者の本人も分からず書いていたのだ。だから、読者にも予想が付かない。あの漫画は本当に先生の中で起こっている現在進行形のドキュメントだったのだ。

 

 放送作家の仕事でも、落ちを先に決めて、そこに向かって書くと視聴者に先の展開がバレやすくなる時がある。

 「サスガは水島先生!勉強になるな~!」と思ったものだ。

 

 こんな思い出もある。ある日。ニュースステーションに水島さんが出たのを見た。久米宏さんに「今年もイチローは活躍するでしょうね」と聞かれた水島さんは「いや、イチローは確かに良い選手ですが…今年、首位打者は無理かな!」「えっ!本当ですか?」「今年、殿馬が入団したんですよ。サスガのイチローも殿間の打率は超えられないでしょう」久米さんが唖然としているのが面白かった。

 やはり、水島先生の中で「ドカベン」は現実の出来事だったのだ。そこまで入り込むから面白いのだと確信した瞬間だ。

 水島先生は「西武に山田(ドカベン)が入ったけど、あそこは伊東がいる。キャッチャーのノウハウを学べるから、いい球団に入った」とも言っていた。

 

 先生は夢と現実を超越して生きていた。だから「あぶさん」も面白かった。

 

 ちなみに「ドカベン」の最初が柔道部だったのは、同時期に別の漫画雑誌で「男ドアホウ甲子園」が連載中だったので、最終回になるまで柔道部にしたそうだ。しかも「柔道で足腰を鍛えておけば、キャッチャーとしての基礎ができる」とも思ったそうだ。

 そう言えば…「巨人の星」の伴宙太も最初は柔道部でキャッチャーとなった。水島先生は「梶原先生へのオマージュ」もあったのかも知れない。

 

 「水島先生!楽しい作品をありがとうございました」ドカベンを読み返してみようかと思う火曜の午前である。

 

 そして、私は水島先生とは面識がありません。ただのファンの素人の思い出話ですいません!

 

 学生時代。応援団のサブリーダーとして神宮の全国大会を応援に行きました。その時。原辰徳さんは四年生。確か東海大は明治大に負けてしまいました。昭和55年か56年のことだと思います。その頃、応援団のサブリーダーは落研の下級生が勤めていたのです。それは何故か?こちらに書かれております。

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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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