放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

FМラジオ「サンデーフリッカーズ」(JFN)12年目突入!

 私が構成に参加している、春風亭一之輔さんの「サンデーフリッカーズ」が、遂に12年目に突入した。

 

 番組開始当時。JFNのKプロデューサーが「落語家さんで10年続く番組にしたい」と言った。きまぐれで、上司に「FMの朝に落語家ってどうですか?」と言ったら冗談交じりに「よし!やれ!失敗したらクビだ!」と言われたそうだ。

 

 そこで、落語家の人選を任された私だが…。初めにあげた候補は却下された(以前にも書いた)。その訳は、年齢である。「30才前後で居ませんか?」とのリクエストがプラスされたからだ。

 

 そこで、真打はあきらめて…。「二つ目で面白いのは誰だ?」というリサーチを開始したのだ。

 私も真打以上なら大体の知識があったが、二つ目は当時ノーマーク。聞き込み調査から始めることになった。

 その時。落語好きのほとんどが口を揃えて「一之輔だよ!」と言った。そこで、調べると、前座時代は朝左久だったと言う…。

  

 そこで、私は「はっ!」とした。聞き覚えのある名前だったのだ。新宿の寄席・末広亭の夜席が終わって表に出る時。隣を歩く女子が女友達に「この前、観たんだけど…朝左久って良いよね!」と言ったのだ。

 この時の興業には出ていなかったが「寄席の帰りに、知らないファンが名前を口にする落語家は売れるのだ」。私は、その昔。同じ末広亭の帰りに、やはり知らない女子が「喬太郎は、面白いよ!」と言ったのを聞いていた(やはり二つ目だった)。

 

 私の中には「寄席の帰りにファンが口にする落語家は本物である」との思いが強くなっていた。

 「一之輔は朝左久だったのか…。これは、売れるかも知れない」しかも、調べると枕のフリートークまで面白いという。ラジオに一番欲しいのはフリートークである。

 

 この時。他の候補は全て消えた。

 

 オーディション代わりの「音声テスト」は一之輔さん一人しか呼ばなかった。「完全にこの番組は一之輔と心中である」。

 この時。オーディションに立ち会って「OKを出した」上司の一人は、今の社長さんである(最近、番組にコーヒーメーカーをプレゼントしてくれた)。

 そんな「一之輔心中」は長編の大作となった。干支が一回りした今、開始当時の音源を聞くと…。

 

 今の方が数段面白い。はっきり言って、トークのスキルが進化しているのだ。

 初期は予測が出来るトークをしていたが、今は変幻自在。

 トークがどこに行って、どこで落ちが来るか予測できない。話している本人も、話ながら落ちを探して瞬時に対応している。そろそろレジェンドの扉に手がかかっているのではないだろうか?

 

 この勢いはどこまで続くのか?

 

 それは、誰にも分からない。

 

 

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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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