放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

磐田市見付「天神様のお祭り」は恐ろしかった!

 静岡県磐田市見附で育った私は、夏祭りの思い出と言えば「見附天神」の「裸祭り」だ(国指定重要無形民俗文化財)。

 かなり危ないお祭りなので私は小学生の頃参加したことが無かった。「子供連」があるので「安全」なのだが…。親は「危険」と判断したのだろう。

 私は過保護の家に育ったのだ。


  この祭りはあまりに「ワイルド」で祭りの最中は救急車の音が絶えなかった。小さなケガなどは当たり前だ(現在は安全に行われている筈ですが…。昔はアバウトだった)。裸に腰ミノ、ワラジ履きの男達が街を練り歩くのだが(大人のおしくらまんじゅう状態)、人数が多いので中心に入るととても苦しい。

 

 私は中二の時。初めて参加したのだが、大人連の中心に入ってしまうと、強い圧迫で呼吸が出来ない。人の圧力で肺が押しつぶされて酸素が吸えないのだ。

 つまり、潜水しているのと同じ状態。中心に入ったら、何とか無酸素のまま頑張って二分程で外へ出ないと気絶の可能性があるのだ。当時、柔道部だった私でも、その状態なので、かなりの辛さだったと思う。

 

 何とか気絶は無かったものの。連続「息止め」状態の練りは体力と気力がいる。

 

 しかも、お祭りには「怖い皆さん」も参加しているので、全身刺青のお兄さん達が複数いるのだ。

 この日ばかりは、中学生が「怖いお兄さん」達と肩を組んで練り歩いても「怒られない」スペシャルデーだった。

 

 「裸祭り」は文化として認められていたが、確か小学生の時は一時期、学校側から「生徒の参加は禁止」という発表がされたと思う。

 これは、父兄の反対があったのか、すぐに撤回された。

 

 中学になると、逆に「「裸祭り」の日だけは、思いっきり暴れていい。その後、勉強に打ち込みなさい!」と言う先生も居た様だ。

 

 この「裸祭り」には、夜中に「神様」が移動する「お渡り」というものがあり、その時は、全ての電気が消灯となる。

 光は神様に失礼なのだそうだ。

 

 そして、暗闇の中、男達も「神様」の移動と共に全力で走るのだ。この時の「消灯」は、商店街や露天商の方も電気を消す。

 消し忘れると、大変なことになるからだ。今は違うと思うが…、当時、電気を消し忘れた店は「壊してよい」という裏ルールがあった(一部の人がかってにやっていた。お祭り主催者とは関係ありません。念のために…)。

 

 うっかり、消し忘れると「神を冒涜する店」として、入り口などを壊されるのだ。

 

 可哀そうなのは、露天商の電気消し忘れである。「裸の男達」が「電気消せ~!罰当たり~!」と、店ごと踏み倒されている。

 露天商のたこ焼き屋さんやオモチャ屋さんが、バリバリと音を立てて崩れていた。多勢に無勢で、もう、どうすることも出来ない。

 

 昔ながらのお祭りは、ダークな部分も含めて「神秘的」である。お祭りのポスターには「天下の奇祭」と書かれているが、確かにそうだ。

 

 ちなみに、このお祭り。現在は、秩序ある「安全なお祭り」になっているそうだ。

 街の再開発で道が広くなり、参加者も減ったので「危険度」も無くなった。

 このお祭りが行われるのは現在の「ジュビロード」(ジュビロ磐田の「ヤマハスタジアム」へと続く道。東海道見附の宿)である。

 

 今年の夏「裸祭り」は行われるのだろうか?もう、四十年以上見ていないが、死ぬ前に一度覗いてみたい気もする。

 

 

 

 

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