放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

ラジオで作家が選曲なんて聞いたことが無い!神番組!

 数週間前。「子供の頃から青春時代に好きだった曲をあげてください」とメールが届いた。なんとなく「めんどくさいなー!」と思いながら…。心に残った曲を思い出してみた。

 考えると、本当に好きな曲と「思い出の曲」は別だと分かる。本当は吉田拓郎の他に、中島みゆき竹内まりや、サザン、ユーミンも入れたいところだ。しかし、当たり前の曲になってしまう。ここは、少し横道の「思い出の出来事」のある曲を選ぶことにした。

 

 選曲した時は、何も思わなかったが…。番組の構成作家の選曲を流す番組など聞いたことが無い。私は作家生活40年目だが、初めてだ!放送中…なんだか申し訳なくなってきた。ありがたい限りだ。

 

 リスナー・リクエストのコーナーで「氷の世界」がかかったのに「はっ!」とした。中学生の時。我が家に初めてステレオがやってきた(それまではモノラルの蓄音機)。兄貴の部屋に置かれたので、私は兄貴の留守に聞くしかなかったが…。初めて「アニメ以外」のレコードを買うことになった。何故か店には行かず、予約して取り寄せることになった。その時、注文したのが「元気です」吉田拓郎とスリー・ディグリーズのアルバム、さらに「フォーエバー」かぐや姫だった。今回は私は「元気です」から「加川良の手紙」を選曲したのだが…。

 この時、兄貴が注文したのが「氷の世界」井上陽水だった。つまり、同時期に「氷の世界」も聞きまくっていたのだ。リスナーと私の記憶がシンクロした瞬間だ!

 

 また「スクリーンに雨が降る」は、私が大学二年生の時。東海大落研の四年生の卒業落語会で、追い出し太鼓の代りに最後に流した曲だ。主任(とり)の終わった直後に、太鼓ではなく音楽を流すのはかなりの冒険的試み。多分、大きな会では落研初ではないかと思う。先輩達のセンスの良さに驚いたものだ。「アマなんだからプロのマネをしなくてもいい。楽しめばいいんだ!」というメッセージが込められている様に思った。

 この時の出演者は四年生が七人。その中に、私だけが二年生で出演している。これは、大変光栄なことだった。二年生だけでやった勉強会を見てくれた先輩が推薦してくれたそうだ。私は映画の「戦国自衛隊」を観た時は、この曲にあまり注目していなかったが、歌詞を聞くと…。たしかに良い!闘い終わったならず者たち…。四年生最後の高座に合っていた。

 

 実は、番組開始当初にあった「音楽コーナー」の「吉田拓郎特集」で私の選曲を5曲ほど流したことが、一度だけあるが…。これは、放送では誰の「選曲」かは伝えていない。リスナーにとってはいつものコーナーだった。

 

  本日の放送。Dの加藤さん。ありがとうございました。

 

 私は四年ではないので卒業はしません。留年で13年生。

 

 ちなみに、中学の時に注文した三枚のうちの一枚、スリーディグリーズのアルバムは未だに店から「入荷しました」の連絡がないままである。「在庫ありませんでした」の連絡ぐらい欲しいものだ。

 

 

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「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」も出てます。

 

直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

安いです。上→200円。中→300円。下→300円。

「放送業界編」800円(高そうに見えますが、上中下に分けていないので、枚数と値段は同等です)

 

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