放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

「ヒロポン酢」って、ネーミングに驚く?!

 真面目なポン酢なのだが…。「ヒロポン酢」という高級ポン酢が売られている。何と!CM(ネットCMだろうか?)には、薬物から立ち直ったTMさんが出ている。私はネットで見たが、あまりにバカバカしい。

 「これ、本当にいいのか?」と思ってしまう。

 

 ネット通販のページを見ると…。現在、売り切れで在庫が無い程のブレークだ。

 

 私も贈答用として買おうかと検索したので、同じような人が全国にいるのだろう。

 

 ポン酢としてはかなり高いが…。ネーミングのインパクトで売れているのか?

 

 TMさんと言えば…。その昔。某ラジオ局で月~金の夕方の帯番組を担当したことを思い出す。

 普通、ラジオの帯番組は曜日ごとに作家が一人ついて曜日の全てを書くのだが…。この時は異例のシステムをとっていた。

 作家の担当コーナーを決めて、そのコーナーだけ月~金で同じ作家が書くという分業システムである。つまり、一週間の番組を横に切って担当するという斬新なシステムである。

 

 番組開始の時。作家が全員集まって担当が告げられた。「では、小林さんはコントのコーナーでお願いします」「ギョエー!何で俺なの?」

 他の作家は「クイズ・コーナー」「視聴者の電話コーナー」など。つまり、毎日の原稿はほとんど同じである。それに引きかえ、私の「コント・コーナー」は毎週五本の新作オリジナルコントである。何と!理不尽!同じギャラでこんなに作業に差が出る仕事をしたのは初めてである。

 

 とは言え「できませんよ!」とは言えない。他の作家はみんな「オレじゃなくて良かったー!」と思っている。しかも、作家の中には日本を代表するコント番組の作家Sさんも含まれていた。どう考えてもSさんが適任である。

 担当DのNさんは「コントはやっぱり小林さんでしょう」と言っていたが、私は「コント作家」と名乗ったことはない。「バラエティー」と「情報」を目指す人なのだ。でも「できませんよ!」とは言えない。

 私は大変な貧乏くじを引いてしまった。

 

 しかも、会議ではNさん「コントはテーマがあった方がいいですね…毎週、別のテーマで五本行きましょう!」私「何ー!」Nさん「一週間分一度に録音を撮るので、五本一度に用意して下さい」私「嘘-!?絶望的だー!」

 

 テーマは毎週の会議で決定。一週間で五本のコントを上げなくてはいけない。

 憶えているテーマは「オリンピック」(オリンピックの開会式の週)「冒険」「テーマパーク」「母の日」「甲子園」など、その週のイベントや記念日などに合わせたものである。

 

 私はいつも、設定が三本ぐらいでつまづいて、他の作家にアイディアを貰うことにした。自分では書かないので皆さん、いい加減だが…。流石にプロ!いつも設定と落ちを二本ぐらいは貰うことが出来た。

 

 展開を考えるのはファミレスと決めていた。家でやると逃げ場があるので集中しないからだ。「決まるまで帰れまテン!」とばかりに、毎週やっていた。

 内容が決まると家で一気に五本を書く。

 

 番組はナイターオフの半年間だったが、よく、穴を開けずに書けたものだと思う。

 

 そして、この番組は評判が良く、金一封の局長賞まで貰ってしまった。Nさんから金一封を渡された時。局長の名前を見ると…。私が大学生で作家の新人の頃に、激しく鍛えられたMさん名義である。私は涙が出る程嬉しかったのを覚えている。今でもご祝儀袋を保存している程だ。

 あれほど嫌々やっていたのに…心は「やって良かったー!みんなありがとう!」だ!

 

 私はいつも皆様のお陰で生かされている。

 

 あれ?何の話だったかな?そうだ!在庫が入ったら「ヒロポン酢」買ってみようかと思う。

 

 

宣伝。ネット書籍「嗚呼!青春の大根梁山泊東海大学・僕と落研の物語~」上・中・下

 

「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」も出てます。

 

直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

安いです。上→200円。中→300円。下→300円。

「放送業界編」800円(高そうに見えますが、上中下に分けていないので、枚数と値段は同等です)

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