放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

サンデーフリッカーズのAD滝沢君!

 先週の放送で春風亭一之輔のFМラジオ「サンデーフリッカーズ」(JFN)のAD滝沢君が番組を卒業した。これは、単なる人事異動なので本人の意思ではない。

 これから、ディレクターとして独り立ちして、活躍してくれると思う。

 

 滝沢君は、六年間うちの番組でADをやっていたらしい。番組では「ダメなスタッフ」的なトークで盛り上げるが、実は彼は優秀である。優秀だと、代われる者が育つまで「出世」がお預けになるパターンだ。

 

 これは、放送作家にもよくある。某ラジオ局のDが「アシスタント作家を探すのが一番難しい」と言ったのを聞いたことがある。

 メインの作家は、作家事務所などに「実績のある作家」を依頼すれば集まる。しかし、使えるサブ作家はなかなか居ないのだ。

 そこで、優秀なアシスタント作家は、優秀なゆえに「長くアシスタント」をやることになる。

 

 昔、私の担当していたラジオ番組のアシスタントに、他の仕事を聞いたら、超有名なテレビ番組をやっていたことがある。こちらは、アシスタントではなく三人程の一人として、スタッフロールの出る作家である。

 しかし、アシスタントの依頼を受けた事務所が、年齢だけで若手をつぎ込んだそうだ。当人は「ラジオは初めてなので勉強の為にやってます」等と言うが…。

 実は、このアシスタント作家は、曜日担当メイン作家の五人より、テレビでは大きな仕事をしている男だった(年収も私より上の筈だ)。

 

 私が途中から参加したNHKの落語家さんの番組では、彼は私より先輩の作家として名前も上に表示されていた。当人は良い奴で「小林さんと、また仕事が出来るなんて夢の様です」と言っていたが…。「ところ変われば品代わる」私は返事に困ったものである。

 

 滝沢君の話に戻るが…。

 

 ある日。ディレクターの加藤さんが私に言った。

 

 「タッキーが番組を卒業するんですけど、何かやりませんか」

 「それ、いいね~!」

 「最後の日は、ディレクターをやってもらって、僕がADやろうと思います」

 

 私は膝を叩いた!私の記憶ではADさんの卒業を番組の企画にするのを見たことが無い。何と新しい発想だ!しかも「果てしなく温かい!」

 

 そこで、番組オープニングで「記者会見風の素材」を作って「卒業」を発表した。そして、本当のラストの日は、テレビの番組の「プロフェッショナル」風のNAを付けてみた(これは、一之輔、滝沢君にも内緒で録音した)。

 

 そして、当日。アシスタントの汾陽さんが自主的にプレゼントを用意していた。さらに、一之輔からは「感謝の金一封」落語家風のご祝儀が送られた(しかも、大きなお札と思われる)。

 何のプレゼントも用意していない私は、うつむいて誤魔化すだけだった(私のプレゼントはオーブニングのナレーション原稿としておこう!それは、単なる仕事だっての!)

 

 ここまでして気づいたのだが…。今まで、辞めたDもADもミキサーさんも、プレゼントなどを渡したことはない。

 それが当たり前の世界だったので誰も気づかなかったのだ。

 

 ADいや、ディレクターの滝沢君!実は、あなたは運を持っているのかも知れない。

 「卒業!おめでとう!」

 

 

 

滝沢を始め、うちのスタッフは誰も読んでいない、アングラ推薦図書!頼りはハード・リスナーだけだ!

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