放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

「顔乗せコラム」変身!

 小学生の時見た「ウルトラマン」で怪獣スカイドンの回は伝説になっている。コミカルな笑いに満ちた新しい演出があったからだ。

 

 ファンの皆さんなら、ご存知だと思うが…。スカイドンはただ体重が重いというだけの害の少ない怪獣だ。街を壊したりしないが、邪魔なのでなんとか宇宙に帰そうとするが、重くてどうにもならない。ウルトラマンでさえ持ち上げられなかった。

 

 そんなスカイドンをやっと「ウルトラ作戦」で宇宙に帰した後。科特隊はみんなでカレーを食べていた。すると、突然!ドカーン!という音がする。あの、スカイドンが重くて、また、落ちて来たのだ。

 慌てて外に飛び出すハヤタ。

 ウルトラマンに変身しようとするが変身できない。よく見ると、変身用のベータカプセルの代りにスプーンを持っている。スプーンを投げ捨てて変身するハヤタに子供達は腹を抱えて笑ったものだ。私は「こんなオシャレな落ちは凄い!」と画面にくぎ付けになってしまった。

 

 この時の映像を見ると…。実はハヤタはカレーのスプーンを置いて飛び出すところが映っている。この演出は実相寺監督が現場の思い付きでスプーンと間違えるシーンを入れたらしい。つまり、つじつまはあっていない。でも、それ以上に歴史を変える名シーンとなった。

 

 しかも、この演出は局の上司に大激怒されたそうだ。「ヒーローがギャグをやるとは何事だ!」ということなのだろう。撮り直しする時間は無く、仕方なく放送された様だ。

 監督の著書によると、この時、辞表を用意したそうだ。

 

 しかも、局には「絶賛の電話」が鳴りっぱなし。最高視聴率をとったと言う。

 

 私も、61歳にしてハヤタになってみた!「顔乗せ!最高!」どんなヒーローにもなれるのだ!

 

 

 学生時代は変身できるなら小三治師匠になりたかった。無理なので素人らしいヘタなやり方に徹することにした。素人が中途半端に上手いとウケない!

 思いっきり「ヘタクソ」「しょうがないなー!こいつ!」といったやり方をすると、芸とは別の笑いが起る時がある。素人がプロをコピーすると、この「顔乗せ」の様になって、酷い結果となる。そんな気がする。

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