放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

子供の頃、遊んだ窪みは戦争の爪痕!

 小学生の頃。近所に大きな蟻地獄の様な穴があった。林の中に突然窪んだ土の逆三角形の地形があった。

 子供達が、これを登ったり下ったりすると、土が崩れて足を取られる。まさに、人間版の蟻地獄だ。

 

 この地形は、小学校低学年の時放送された初代「ウルトラマン」の第七話「バラージの青い石」に出て来る怪獣・アントラーの登場する穴にソックリである。

 我々は、ここでウルトラマン・ゴッコをしていた。アントラー役は、子供達に石を投げつけられながらも、必死に怪獣を演じていた。

 

 散々遊んだ後。帰宅した私は何となく父親に聞いてみた。「何で「蟻地獄」みたいな窪みがあるの?」すると父の答えは「あれは、米軍の落とした爆弾の跡だよ!他にもいくつかあるけど、全部そうだよ!」

 

 近くに軍事施設も工場もなかった磐田市の、こんな田舎にも爆弾は投下されていた様だ。

 どうやら、東京大空襲の様な焼夷弾の攻撃ではなく、田舎は名古屋や浜松の軍事工場を狙った空襲のついでに落として行ったのだそうだ。

 父親の話なので憶測の域を出ないが、帰り道に爆弾を落として機体を軽くしていたのだろうか?または燃料が少ない時、燃費を考えて落としたのか?

 爆弾を落とすメリットをまったく感じないが、単発の爆弾は日本全土に落ちたのだろう。

 

 それから、数十年後。米軍の不発弾が見つかったという報道があった。私たちが遊んだ穴は爆発したから大きく窪んでいたが、不発弾はそのまま埋まっていた様だ。

 

 しかし、何故米軍はメリットの無い田舎に爆弾を落としたのだろう?そんな「命令」は出ていない筈だ。操作ミス、または、からかい半分の愉快犯的行為だったのだろうか?それとも、父が只の穴なのに嘘をついたのかもしれない。謎は深まるばかりだ。

 

 私は昭和三十六年生まれ。戦後十六年しかたっていない。まだ、街には戦争の傷跡が残っていた。

 

 

アニメ「Hの墓」の原作はNさんの自伝的小説らしいが、ある大物作家・KさんがNさんに「妹さんを亡くした時は大変でしたね?」と聞くと「えっ!妹は生きてるよ!小説は少し嘘をいれないとね!」と言われたそうだ。

ベースは自伝でも、全部本当とは限らない様だ!

 

 この話は私の中では真実なのだが、あるOGは「違う!嘘だ!」と言っている。自分を美化する性格の様だ。私は嘘の演出は入れていない。多分…。

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