家から歩いてすぐの所に、お爺さんの開業医がいる。近くに近代的な開業医もあるが、私は空いているお爺ちゃんの所に行く。
風邪の時など、待ち時間が短い方が嬉しいからだ。
私は初めてそこに行った時。何の期待もせず「風邪ならどこでも良いだろう?」ぐらいの気持ちで診察を待っていた。
ここは本当に昔ながらの開業医で薬も医院で出すスタイルを守っている。診察室に新聞の切り抜きが貼ってあった。
ここの先生は、若い頃。アフリカの無医村でボランティアをしていた凄い方らしい。何か国語も操るので外国人の患者も安心らしい。「川崎のドクター・コトー」と記されている。
それだけに、親切で会話を大切にする診察を行っている。
ある日。診察を終えて待っていると…。「料金はいりませんよ」と言う。何と!「以前出した薬の残りを飲んで下さい」と言うのだ。
診察代は無料。こんな、良心的な医院は初めてである。しかも、ここは夜中に電話しても診てくれるらしい。今もアフリカのボランティアの時と同じ感覚なのだ。
これは「頭が下がる」。
壁には巨人軍の選手のサイン。エグザエルのサインもある。巨人選手は近くに二軍練習場があるので、患者である。
エグザエルはドラマのロケで、この医院が使われたそうである。
山の途中、店も何もない細く曲がった道の途中にポツンとある医院。ドラマの舞台にピッタリだったのだろう。
ここの患者さんは、お年寄りと子供が多いのも特徴だ。
先生はいったいいくつなのだろうか?80才近いかも知れない。受け付けは奥さんだろうか?処方もするので薬剤師である。
先生には長く現役を続けて欲しいものだ。
近所のスーパー銭湯で何度か先生を見かけたことがある。サスガに声はかけないが…。ここだけが癒しの時間なのだろう。摂生しているらしく体形はスリムだ。腹の出た私は反省するばかりだ。
私はこの手の医院が好きな様で…、世田谷に居た時もお爺さんの目医者さんに行った。看板に「医学博士」と書かれている自己主張が面白く、すぐに診てもらった。
丁度、視力が落ちた時だったので「眼鏡をかけたいんで視力を計って下さい」と言うと、先生は計った後。「まだ、メガネ作っちゃダメ!毎日、納豆にきざみネギを入れて食べなさい」と言った。お爺ちゃん先生は言うことが面白い。
目は良くならなかったので、数年後、先生の意見を無視してメガネを作ったが…。今も本を読む時しかメガネはかけない。先生の意見は間違ってはいなかったのかも知れない。
今日は普通のコラムになった。大した情報もなく秋風の様に吹き抜けて行く。そんなコラムニストに私はなりたい!…何だ!それ?だだ、文字を埋めている。
学生時代も、こんなお爺ちゃん先生が欲しかった!あの頃、風邪を引くと…。市販の薬で直していた様な気がする。
大学の頃。住んでいた小田急相模原駅近くの中華料理屋で、偶然、小学校の同級生に会ったことがある。
それは、以前のコラムにも二度三度登場した、内科医の息子Kである。彼もこの街に住んでいて北里大学・医学部の学生だった。
そのまま、彼のアパートに遊びに行ったが、私は風邪を引いていた。すると「いい薬やるよ!」とくれたのがバッファリンだった。
私が「市販の薬かよ!」と言うと「我が家では風邪引くと、バッファリン飲むんだよ!これが、一番効くんだよ!」
なんだか、もやもやした!お医者さんの家族は患者と違う薬を飲んでいたのだ(あくまで、彼の家のお話です)。半分冗談かも知れないが…。それを飲むと、確かに風邪が治った私だった。
そんな学生の頃のドキュメント・エッセイ・馬鹿大爆発!がこちらである。バッファリンの代わりに買うべし!ドクター・コトーを見習ってみなさんもボランティアだ!
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