放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

新幹線・変なオジサン!

 私は放送作家なのでパソコンで原稿を書くが、実は、未だにカナ打ち入力だ。

 

 他の放送作家やスタッフは当然「ローマ字打ち(ローマ字変換)」なので、チョット馬鹿にした目で見られる。

 

 しかし、私は、「カナ打ち一筋」で何十年も原稿を書いているので「ローマ字打ち」にすると、仕事が遅くなるのだ。

 

 ある日。そんな私を救ってくれたのが、仲間の放送作家・津曲君だ。津曲君はテレビでは「津曲ラッキー」の名で構成作家をしている。「夜のヒットスタジオ」や「love love 愛してる」「Hey!Hey!Hey!MUSIC CHAMP」等も構成した、音楽に精通する作家だ。

 

 そんな津曲が私に言った。

 

 「小林さん、そこまでカナ打ちで慣れたなら、もう、ローマ字打ちにしなくて良いですよ!実は、カナ打ちの方がおさえるキーが少ないから、早いですよ!」

 「えっ!」

 

 私には意外な言葉だった。今まで「カナ打ち」は遅いと思っていたからだ。

 

 「だって、「し」と入れるとすると「ローマ字打ち」は「shiまたはsi」と入れるけど、「カナ打ち」なら「し」一回で済むでしょう。キーを叩く回数は少ないんですよ!指への負担も減ります」

 

 何と!眼から鱗の答えだった。確かに、「五十音」だとキーの場所を憶えるのが大変だが、叩く回数は少ないのだ。

 

 サスガは津曲!国公立大学出身のエリートだけのことはある。

 

 別の日のことだが、私が新幹線の中で知り合いに「カナ打ち」の方が、実は早いらしい!と、津曲君のうけうりで自慢げに話していた。

 

 すると、自由席の隣に居たオッサンが「いや、ローマ字打ちの方が早いよ!」と、口をはさんできた。

 知らないオッサンだが、私は、キーを押す回数の理論を説明すると、オッサンは「いや、ローマ字打ちの方が早い!」と譲らない。

 理由を聞くと「ローマ字が早い!」それしか言わない。

 

 私は腹が立ったが…。知らないオッサンと喧嘩しても仕方がないので、そのままにしておいた。

 

 オッサンのお陰で、二人は会話すら無くなってしまった。

 

 誰か知っている方が居たら教えて欲しい。「カナ打ち」と「ローマ字打ち」どっちが早いのだろうか?

 ちなみに、どっちが早くても私は「カナ打ち」を続けます。なぜなら「私の場合、その方が早いからだ!」

 

 もう、ここまでくると、野球の打撃フォームと同じだ。変なフォームでも、その方が打てるのなら、それでいい。例え本当に「ローマ字打ち」が早くても、大きなお世話だ!小学生に「一本足打法」を教えるようなものだ。

 

 あの時のオッサン。今、どこで何をしているのだろう?「ローマ字打ち」が早い理由を何故言わなかったのだろう?謎のままだ!

 

 

 

 

津曲君も新幹線のオッサンも読んでいない、こちは大好評!心が現れる青春の日々!感動の上に馬鹿を乗せて、間抜けを重ねた様な、重箱おバカを楽しんで下さい。

ちなみに、このフレーズは、國學院落研の二年後輩・入船亭扇辰師匠の「徂徠豆腐」に出てきます。

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