放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

湯河原の温泉「青巒荘」が…

 湯河原の温泉「青巒荘」が民事再生法を申請したそうだ。この温泉には思い出がある。

 その昔。有〇町の某ラ〇オ番組。「〇M〇▽」のANNで、DのHさんが私に言った。「出演者とスタッフで温泉行くから、適当な温泉みつけてよ。高く無くていい所をよろしく!」。

 当時。二十代中盤だった私は温泉の知識など皆無。かといって当時は断る権利はない。仕方なく、本屋で関東の温泉をまとめた本を買った。値段が普通で建物の写真が渋い温泉をピックアップしていると…。青巒荘が目に留まった。青・巒・という漢字の強さにひかれたような気がする。漢字のデザインだけで刺青にする外国人と同じ感覚だ。

 私は、時間をかけて厳選したフリをして…。「一日調べたんですが…。ここなんかどうですか?」見せると…。「おっ!いいんじゃない!」簡単に決まってしまった。どこでも良かった様だ。多分、ダメな宿なら「小林が選んだんだよ!ダメだな~!」と放送でいじる気である。

 

 恐る恐る…。タレント、作家二人、D、ミキサー、AD、と揃って出かけたが…。これが、とても大きくて雰囲気があって良い温泉だった。

 宿のスタッフによると「この部屋は、以前、歌手のWAさんも泊まってくれたんですよ」とのこと。何と!Gッド・Nちゃんである。

 

 露天風呂が混浴だと言う。行ってみると…。大学生ぐらいの女子が二人入っている。我々は真面目なので遠くから「入っていいですか?ダメなら入りませんから~!」と叫んだ。女子二人はすぐに上がったがきさくな女子大生で、その後、カラオケに行くことになった。これは、タレントの〇Mさんが誘ったからだ。H〇〇Mさんは女子だが短髪で男性にも見えた。我々は「まさお!」と呼び、本人も男言葉を使って演じていた。つまり、ドッキリ的に男性として女子をナンパした形である。まだ、彼女が無名の頃のお話だ。

 

 カラオケは「まさお」と「女子大生」で爆笑となった。そのまま、部屋でトランプをして、まるで修学旅行だ。勿論、何もなく女子は自分の部屋へ帰って行ったが…。リーダーの「まさお」は、最後まで「まさお」のままだった。

 

 その帰り。我々は何故か「秘宝館」へと立ち寄った。その時は、「まさお」は、本来の女装(いや私服)である。ロープウェイに乗ると一緒になったオジサン客が、「まさお」を指を指して言った。「あれ?あなた、有名人だよね?」。

 やばい!我々はバレたと思い、タレントを守る体制だ!すると、オジサンは「…あっ!そうだ…あなた…キョンキョン?」。我々は体から総崩れである。言うにことかいて…キョンキョン?!「秘宝館」はエッチな物ばかりのテーマパーク(博物館か?)である。でも、オジサンはギャグではなく真顔で「キョンキョン」と言ったのだ。オジサンからすると有名人のオーラがキョンキョンに見えたのだろうか?確かに体形は似ているかも知れない。いや!それにしても…。ポンコツすぎるぞ!オジサン!

 我々は、オジサンに「ど近眼ですか?」と聞くのをぐっとこらえていた。そして、「まさお」は大喜びである。

 

 次週の放送では「見る人が見れば分かるんだよな!」と、間違ったトークが続き、爆笑となった。

 

 思い出の青巒荘…。再生して欲しいものである。

 

※このエピソードは、以前にどこかで綴られたものと重複している。

 

 

 

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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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