放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

田中邦衛さん!

 今、ネットの速報で俳優の田中邦衛さんの訃報が流れた。

 

 そこで、思い出したことがある。

 

 昭和60年頃。私は六本木の防衛庁近くの事務所・М商店で電話受けをしていた(仕事も事務所でするので、必然的に電話に出ることになる)。

 

 ある日。事務所に居ると呼び鈴が鳴った。出るとマンションを管理ている不動産屋さんだ。「他の部屋に入居希望のお客さんが来ているが、今、その部屋は改装中なので、同じ間取りの、うちの事務所の中を見せて欲しい」というのだ。

 それなら、なんの問題もない。「どうぞ、入って下さい!」と言うと…。

 

 ガチャッ!と空いたドアから、不動産屋さんと、もう一人!見たことのある人物が立っていた。

 

 (心の声)「ああああ~!青大将だ!」

 私は言葉を失っていた。あの、映画「若大将シリーズ」の青大将・田中邦衛さんが、そこに居るのだ!

 

 田中さんは、丁寧にお辞儀すると「失礼します!」と、青大将ではなく、「北の国から」の黒板五郎のようだった。

 声は小さいが、礼儀正しく、まだ、20代前半の私にも気さくに話してくれた。

 

 不動産が一通り説明をすると、田中さんは「チョット、狭いかな…。仕事中、失礼しました~!」と感じよく去って行った。

 

 田舎者の私は、都会とは凄いと思った。芸能人が部屋にいきなり入って来るなんて、田舎では「隣の晩御飯」のヨネスケ師匠だけだ(それも、まずないが…)。

 

 田中さんが去った後。私は、ラジオ用のネタを考えながら、加山雄三さんの曲を口ずさんだ。♪たった一人の日暮れに~見上げる空の星屑~!

 今は昼過ぎで星空は見えなかったが、若大将がギターを弾くパーティーで女の子と騒ぐ、青大将が頭の中を駆け抜けた。

 

 仕事では、一度もお会いしたことのない大スターだが…。私は肉眼で見たことがあるのだ。

 

 ふと、手を合わせた。ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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