放送業界のお話と落研と私的な思い出

放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

新人作家が大ピンチ!

 新人放送作家の頃。失敗はつきものである。私の師匠Мさんが社用車として、新車のグロリアを購入した時。私はよく運転をしていた。

 チョットしたお使いも、この車で行っていたのだ。それまで、ペーパードライバーだった私だが、三ヶ月も乗ると普通に運転できる様になっていた。

 

 ある日。師匠が使用する資料を、今まで行ったことのない場所にとりに行くことになった。うまく受け取ることが出来たのだが、帰りが大渋滞となってしまった。

 そこで、私は一本横道へ入ってみた。すると、道は細いのにさらに大渋滞で全然動かない。事務所に帰る時間が遅刻すること確定である。

 

 遅刻したら、怒られる。「横道で渋滞した」などと言ったら、「その辺の機転の無さが作家として向いていない」等と言いかねない。

 渋滞の中、やっと動いたので大きく車線変更して別の道に出ようとした、その時。

 

 ガッシャ~ン! 細い道でパワステを一杯に切ってアクセルを強く踏んだので、車線変更を飛び越えて、ガードレールに激突してしまったのだ。

 

 左のウインカーが飛び散るのが見えた。

 まずい! 新車をいきなりぶつけてしまったのだ!

 

 動揺したが、細い道の渋滞。路肩は無い。私はそのまま運転を続けるしかなかった。

 渋滞の上、知らない道に入ってしまったので、自分がどこに居るかも分からなくなってしまった。ナビも携帯もない時代である。私はもうパニックだ!

 

 結局、三時間近く遅れて事務所に着いた。そのまま逃げる訳にも行かないので、恐る恐る…事務所のドアを開けると…。

 

М「ああ~! 良かった~! 帰って来た~!」

 「あの~! 車ぶつけちゃいました!」

М「車なんか良いんだよ! お前が無事なら、それで良いんだ!」

 

 何と! 意外な言葉が帰って来た。

 

 「あの! それも、前をウインカーが割れる程ぶつけてます」

М「いいんだ! そんなのは! 車なんかすぐなおる!」

 

 まるで落語の「厩火事」だ。世の中に「車をぶつけて怒らない人」が居ることが驚きだった。

 「弁償しろ!」とは一言も言わないし、何一つ咎めなかった。

 

 このМさんは、日頃、口うるさいので意外だった。

 

 この時、思ったのだが…。このМ師匠はモデルや女優によくモテる。別に美男子ではないのだが、何か魅力があるのだろう。

 その一端が見えたような気がする。

 

 私の後。事務所に居た後輩・湯川君(東海大落研の七つ後輩)も車をぶつけたことがある。その時は、ベンツの高級車。しかも、停車している車に正面衝突して大破したという。

 この時も、М師匠は笑いながら私に「湯川の奴! 居眠りでベンツ廃車にしたぞ! 買い替えることにした!」

 

 どうやら、Мさんは車の事故に関しては寛容を貫いている人の様だ。

 

 実は、この後、驚きの展開が待っているのだが…。それは、悲惨すぎてブログでは書けません。

 

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