ある日。車の中でM師匠が言った。
「小林!車運転してる時、やばい奴にからまれたらどうする?」
「逃げます」
「そう言う時は、ドアを開けろ!相手が胸ぐらを掴んだり、殴ってきたら、ドアを思い切り閉めろ!相手は骨折して戦意喪失だ!」
「・・・」理屈は分かるが、そんなことが出来る訳がない。
「こら!聞いてるのか?」
「・・・」
「あと、向こうが車に乗ってる時は、紳士風に近づいて窓を開けさせて、煙草の火を相手の目に突っ込め!戦意喪失だ!ただ、プロのY屋さんにはやるなよ!」
「面白いですね!」
「お前、やっぱり馬鹿にしてるな!」
「いえ!」 私に そんなことが出来る筈がない(心の声)。
M師匠は、大阪の組長さんの孫だけあって、会話が普通じゃない。漫画の中の極道者のような話題が多かった。
「小林!俺、昔、ラジオのN放送を出入り禁止になったことがあるんだよ」
「どうしてですか?」
「それがさ~!俺、昔、ボクシングやってたし、爺さんがY屋さんだろう?スタッフが本当に強いのかドッキリを仕掛けてな!バイトの男が局に入り込んだ不良のフリして、スタジオで暴れ出したんだよ!だから、俺が張り倒して、倒れた所の頭を靴で踏んづけて、「どこのチンピラだ!」って、やっつけたんだよ。そしたら、ドッキリ仕掛けたスタッフが悪いのに、傷害事件でしばらく出入り禁止になったんだよ。お前も、スタッフのドッキリには気を付けろよ!」
「や、それ、僕だったら逃げてますよ」
「それは、正解だ!」
師匠の話はメチャクチャだが、いつも面白かった。いつしか、車で送るのが楽しみになっていた様な気がする。
上の文章は、このエッセイの続き。業界編の冒頭(未完成)です。まずは、こちらを読んでから…。
↓
宣伝。ネット書籍「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語~」上・中・下
直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…
安いです。上→200円。中→300円。下→300円。
「青春落語バカの楽しいエピソード」有名劇団の主催者や脚本家、演出家絶賛!
↓
https://note.com/bakodayo1874basu