放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

無駄は無駄ではない…それが正解か…!?

 子供の頃。効率的に仕事する人が「凄い!」「賢い!」と思っていた。食器をかたずける時、重ねて一度に運ぶのが「賢い!」と思っていた。

 その観念が…。くつがえされた…。

 

 60過ぎて運動不足、コレステロールが気になると…。「あれ?食器は三回ぐらいに分けて運んだ方が運動になるんじゃねーの!」と思う。

 そうなのだ!洗濯物だって二度に分けて干したり、ハンガーを用意してなくて取りに行ったりするのが運動不足には良いのだ。

 昔「お馬鹿な主婦だな~」と思っていたサザエさん的な人が健康なのだ。スーパーの買い物だって買い忘れて、もう一度、自転車で買いに行ったら運動量が増える。私の両親など、よくそんなことをしていた。

 ちなみに、母親は若い頃から病気がちだったが、治って90才で逝去。父親は来年の1月に100才になるが健在だ。終戦でギリギリ戦地に行かなかった(同じ歳でも志願で行った方もおられます)大正15年生まれだ。

 

 小学校低学年の頃を思い出した。昔の駄菓子屋での話。そこは、お爺さん・お婆さんがやっている店で「お好み焼き」の鉄板がある。子供達が少ない小遣いで具の無いお好みを楽しめる(ほとんど、もんじゃの薄さ)。

 ある日。父親とこの店に行った時。父は「オモチャかってもいいぞ」と言った。昔の駄菓子屋はブリキのおもちゃやプラモデルも売っていた。私はすかさず「水中モーターで動く潜水艦」を買ってもらった。普通はオモチャ屋でないと売っていないものだ。

 

 家に帰り。お風呂でやってみた!「あれ?!」。船体をひねってスイッチを入れるタイプなのだが、入れると船体がねじれて不格好になってしまう。あきらかに不良品だ。本来はスイッチを入れてまっすぐにならなくてはダサイ。

 子供の私は泣き出した!優しい父は「交換してきてやるよ!」とバイクで15分程の店へと行ってくれた。

 

 新しいものを試すと…。今度はモーターが回らない…。父は「交換してきてやるよ!」とバイクで15分程の店へと行ってくれた。

 

 次のものを試すと…。スイッチを入れると船体が180度もズレる。半分逆さで泳ぐ魚の様だ。父は「またか、交換してきてやるよ!」とバイクで15分程の店へと行ってくれた。

 

 今度は、明らかに一度誰かが遊んで返品した感じで劣化している。しかも、動かない…。私は言った「もう、交換しなくていいよ!あそこは全部不良品なんだよ」。

 父はうなづいて「そうだな!」。母は二人のマヌケさにあきれて「良い勉強したね。専門店で買わないとダメなんだよ!」と言った。

 確かに、プラモデルを買った友達が「部品が足りない」と言っていたのを思い出した。

 

 後日。父親が会社から帰ると言った。「不良品の訳が分かったぞ!知り合いにお祭りのオモチャの屋台を出している奴がいるんだけど…あの駄菓子屋は、同じところから仕入れてて、訳アリ品をまとめて安売りしているところで仕入れてるらしいぞ!知り合いはよく調べて買ってるけど、まともなのは三割ぐらいしかないらしいぞ!」

 

 私は少し賢くなった…。

 

 でも、無駄な動きを日常でも色々やっていた父親は健康で長生きしたから「正解」である。

 

 

 

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