放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

昨日、柳好師匠御用達の飲み屋で…

 昨日。預かり物を取りにある飲み屋へと行った。電車で30分ぐらいかかるが、昔住んでいた町なので馴染みがある。

 夕方四時。もう、カウンターは一杯だ。他の店が5時・6時からなので早くから飲む客が集まる様だ。

 「もう、一杯なんですか?!」私が驚いていると…。「ここは、4時が一番混んで、あとは来ないのよ!」と言われた。

 唯一開いていたカウンターの一番左に案内された。同時に、袋を渡された。柳好師匠のおカミさんから頂いた深大寺の桝(多分、五合)である。柳好さんは毎年、深大寺の節分で豆を撒いているので家に沢山あって困っていたそうだ。それを一つ私が貰ったという訳だ。しかし、まさか5合桝とは。私は一合桝だと思っていた。これだけ大きいと、お菓子でも入れるしかない。

 

 生ビールを一杯飲んで帰ろうと思っていたが…。隣の女性のトークが止まらない(年齢不詳)。昔勤めていた大企業のハードなセクハラ上司の話で爆笑をとっている。合いの手を入れる暇がない程、一方的に話すタイプだ。まるでラジオを聴いている様である。

 「なんだ!こいつは?!」そのうち話題が代り、芸能界の裏話をしてくる。かなり内部のことを知っているので「何でそんなこと知ってるの?」と聞くと「週刊誌に載ってたわよ!」。そうか、私は近年「週刊誌」を読んでいないのだ。ワイドショーは見ているが、激しい裏話は知らないのだ。

 うなづいて聞いていると…。突然「私、TBSラジオの安住さんの番組が好きで毎週聞いてるのよ」と始まった。日曜の午前中から昼の番組らしい。しかも、ネットで第一回から全てが視聴できるそうだ。そこから、面白かった安住さんのトークを語り出した。「安住さんは成人式に二回出た」そうだ。地元でなく大学で住んだ街の会場に行ったら知らない人ばかりで(当たり前だ)何故か、招待状の無い他の会場に無理やり行って入ったそうだ。相当、個性的な大学生だったようだ。

 そんな話をしていると、さらに隣の男性(50才ぐらいか)「僕も、安住さんのラジオ毎週聞いてます」と来た。しかも、安住さんは大学の放送研究会の先輩らしい。安住ラジオのトークがさらに速射砲の様に展開された。

 そして、女性から「あなたも、安住さんのラジオ聞いて下さいよ」ときた。そんなに面白いなら聞きたいが…。日曜の朝から昼の番組というのが…。うっ!ニアミス感がある。

 酔った勢いで…「私、別の局の日曜朝6時からのラジオのスタッフなんですが、こっちも聞いてくれませんか?ネットしてませんが、ラジコプレミアムで聞けますから…」。

 すると、隣の女性はすぐ検索してユーチューブの音源を出して来た。「これですか?」「それは放送では無いんでけど…放送の後の感想みたいなもんです」「今度、聞きます」

 どうやら、プレミアムに入る気はない様だ!

 

 一杯飲んで別の店に行くつもりだったが、三杯飲んでしまった。気づいたら、テーブル席に柳好師匠も来ていた。「すいません、桝もらいました」と言って店を出た。

 

 次の店へ移動すると…。店の女性店主(50才)が、先週、ある駅のベンチで遭遇した未成年の女性の話をしてきた。こちらも、ラジオのオープニングを聴いている様だ。不良の会話も面白く入っていて、落ちもいくつかちりばめられている。いつもは、そんなに話すタイプの人ではないが、私が今日初めての客らしく、ネタを試したかったのだろう。

 1時間ほどして、もう一人常連客が来た。さっきと同じ駅のベンチで遭遇した未成年女性の話を始めた。

 話が整理されて洗練されている。さっき、私が聞き返した部分で注釈を入れて分かりやすくしている。俺にやったのはネタおろしのリハか!

 話が完成する瞬間を見たようだ。

 

 この日はシャベル人ばかりだ!さっきの店の女性客も、次に来た客に同じ話をして、グレードが上っているかもしれない。

 

 私は無口である。