放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

苦手な物を着てみる!

 歳のせいか…。どうせ死ぬのなら、何でも体験してみようと思う様になった。昔から、放送作家の先輩・下村さんが「どうせ死んじゃうんだから…」と何も悩まない極意を語っていたが、確かにその通りだと思う。

 

 去年、母親が90才で亡くなったが…。親は自分と29才しか違わないことに気づく。61才の私はあと、29年しかないということだ。これは深刻だ!後、15年もすれば体力も心配だ!山など、今しか登れないかも知れない。

 

 となると、何でも体験してから死にたいものだ(体調は良好ですが…)。

 

 最近。私は今まで着なかった物を買っている。オーバーオールがそれだ。乾きにくそうだし、太った人のイメージがあったし、トイレが面倒そうだ。しかし…。「お前はオーバーオールを体験せず死ぬのか?」と、もう一人の自分が囁く。

 まだ、家でしか着たことがないが、車の洗車などで着ると、それっぽい。フォーク世代としてはギターを弾けばイルカみたいだ。

 

 同じ理由で、車はマニュアルのマツダ・ロードスターである。これも「オートマだけじゃあ、免許が持ったいなくないか!」と、もう一人の自分が囁いたのだ。

 

 バイクは子供の頃好きだった、ホンダ・ジャズに20年程乗って、今はモンキーにした。これも「乗らずに死ぬのは…」の発想だ。

 

 思い切ってトヨタ2000GTを買ってみようか…。いや、これは、あまりに高すぎるのと出物がない。大富豪でないと無理だ!

 

 古着のVANジャケットを買ったこともあるが…。着る機会はほとんどない。ライトなパーティーで二度ほど着たとこがある程度だ。

 

 「人生、やったことのない体験」をするのは無駄が多い。ハワイも行ってないし、軽井沢の別荘も行ったことが無い。北海道の利尻島礼文島も行ってみたい。八丈島で釣りも良いらしい。

 

 芝居に出てみたいし、豪華客船の旅もしてみたい。戦車にも乗って見たい(アメリカにはシャーマンなどを運転できるサービスがあるそうだ)。

 うーん…冷静に考えて叶いそうにない…。

 

 結局。大した事は体験せず終わってしまいそうだ!