放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

長嶋茂雄さんリスペクト!

 私は巨人ファンでは無いが、長嶋茂雄さんが好きである。子供の頃、なにかの漫画で長嶋選手が病気の子供に「僕が今日ホームランを打つから、君も頑張れ!」と言って去って行く。そして、本当にホームランを打つというエピソードが書かれていた。

 

 私は当時の子供としては異端児。野球のルールもあまり知らなかったが、この漫画で急にナイターを観ることに成った。勿論、お目当ては長嶋茂雄である。つまり、長嶋の打席だけ見て試合の展開はまったく見ていなかった。後になって、長嶋さんは守備でも魅せる選手だと知ったのだが、その時は分かっていなかった。

 

 そうこうしているうちに、長嶋さんは晩年で、代打で出場するようになっていた。私は注目するのが遅すぎたのだ。

 あの野球史を彩る大活躍をリアルタイムで見そびれていたのだ。何とモッタイナイ話だ。長嶋さんの引退のドキュメント映画は劇場で観たが…。漫画祭りの時の併映だったと思う。

 

 結局。私は過去映像で長嶋茂雄さんの大ファンになった。ファンの中では一番邪道なにわかファンである。リアルタイムで試合を観られた世代だけに、痛恨の極みだ。

 ちなみに、昭和36年生まれの私は、中学生で「タッチアップ」のルールを知らなかった。

 

 そんな私が、ある日。郵便局に行くと「炎のフルスイング」というチラシがあった。見ると…長嶋茂雄さんのフィギアだ。数万円と相当高いものだ。私は現役時代ほとんど観られなかったお詫びにと、衝動買いしてしまった。

 

 ある日。放送作家の後輩で、日本一の野球ヲタク・斎藤振一郎君(春風亭一之輔さんの日芸落研の先輩である)が我が家を訪ねて来た。このフィギアを見て「小林さん、長嶋ファンですか!」と言って去って行った。

 

 数日後。斎藤君が「これ、あげます」と何か差し出した。見ると…おおおお~!長嶋茂雄さんの直筆サインだ。南海ファンの斎藤君が何故もっていたのかは不明。

 私は以前斎藤君に南海の応援メガフォン(今、プレミア価格らしい)と優勝した時に使った「祝勝水」のボトル(本物・非売品)をあげた。そのお返しだったのかも知れない。

 

 私はすぐにサインを額に入れて飾ることにした。

 

 それが、この写真である。