放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

早稲田大学・落語研究会の学生と会った。

 先日。鈴々舎馬るこさんのネタおろし独演会「しもきたドーン」で、早稲田大学落語研究会の学生に会った。

 

 早稲田には昔から落語研究会と寄席演芸研究会があった。40年程前落語を演じるのは寄席研の方で、落研は研究や落語会のプロデュース等をしていた。

 元々は、小沢昭一さんの作った日本初の落語研究会が分かれたものだろうか?(間違ってたらすいません)

 

 学生時代の私は「全日本学生落語名人位決定戦」の決勝で早稲田・寄席研の学生と一緒になった。ガリガリの細い男で声も小さく、なんだかダメそうに見えたが…。これは楽屋での仮の姿…。ボソボソと話すのに声は聴きやすく、自作の創作落語幇間小学生」を演じて、この日一番の爆笑をとっていた。鯛家平目と名乗る学生だった。私は、この面白さに衝撃を受けてしまい。しばらく立ち上がれなかった。その後に出た、桃山学院大学タージン(現・関西の人気タレント)の「田楽食い」も凄かったが…。やはり、印象に残ったのは創作落語の早稲田だった。

 

  早稲田の寄席演芸研究会は、毎年、上手い学生が出る名門だった。月見亭うどん、伊達家酔狂、と上手すぎる人しか見たことが無い。しかも、皆、プロに近い演じ方だった。学生特有の「変な芸風」を見たことが無い。

 「いったいどんな練習をしているのか?」「それとも、初めから上手い奴が入っているのか?」いつも疑問に感じるほどだった。顧問にプロが付いているという噂もないので、OBの指導が良いのかもしれない。

 

 話は戻るが…。先日、会った落研の学生に聞いたところ…。「今、寄席演芸研究会で落語をやる人はいませんね。みんな、漫才、コントです」と言っていた。

 演者型のクラブが逆転しているのだ。

 

 10年程前。私が構成したテレビ朝日の「落語者」という番組に、柳家甚語楼師匠と桃月庵白酒師匠に出演して頂いた(ブッキングも私)。

 打ち合わせの時話を聞くと…。二人は早稲田の落語研究会で同期。白酒さんは先に噺家になった甚語楼さんがプロでやっていけるか観察してから「よし、俺も出来るかも?」と入門したそうだ。この時、もう「寄席研」は落語をやっていなかったようだ。

 「演者型」「研究型」の逆転は、相当前に起こっていた。

 

 聞いた話では、青学の落研も一時期、落語をやる者が無く色物サークルの時代があったそうだ。ある日。OB会長の料亭花柳(芸術院せん生)さんに学生から電話があり「落語の稽古の仕方を教えてください」と言ったそうだ(飲みながら直接聞きました)。多分、ドラマ「タイガー&ドラゴン」が放送された頃である。それ以来、青学では落語が復活している様だ。

 

 今回会った早稲田の落語研究会の学生は、人の話をよく聞く真面目そうな男だった。関東学生落語連合のトップに就任したそうだ。

 立派な社会人になって欲しいものだ。

 

 

 

 早稲田の寄席演芸研究会が眩しく見えた頃の学生のお話。寄席研には色物も居て、山田邦子さんも参加していた(別の大学も参加できるクラブだった)。うちのレジェンドな先輩の漫才と女子大生の邦子さんが大会で一緒だったのも面白い。

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「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」も出てます。

 

直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

安いです。上→200円。中→300円。下→300円。

「放送業界編」800円(高そうに見えますが、上中下に分けていないので、枚数と値段は同等です)

 

放送作家で専門学校の先生・下村稔さんが「上」に登場する「初めての下宿の描写」を褒めてくれました。私としては意外な部分でした。落研入部前の不安な若者の描写が良かったそうです。

 

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