放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

松本貴子監督のドキュメント映画「掘る女縄文人の落とし物」

 昭和55年。東海大学落語研究部に入部した時。映画研究会の同級生に、ター子とあだ名される女子大生が居た。ラジオ「サンデーフリッカーズ」(JFN)の今週のテーマも「女子大生」だ。

 

 ター子さんは、いつも背筋が伸びて歩く姿が格好いい。きゃしゃで可愛い人だった。舌ったらずなのか、不思議な発音をしていた。我が部の二年先輩の切奴(きりど)さんと仲が良く、先輩なのに「きーど!きーど!」と「さん」づけもなく、変な発音で会話していた。

 

 そこで、私は「むっ!」とした。規律と上下関係を重視する我が東海大落研にとって、先輩を「さん」無しで呼ぶことはご法度である。しかも、発音が変なのも「許せない!」。私は、つい「何で先輩に「さん」をつけないんだよ!」と、言ってしまった。

 その返事は「だって、私、浪人してるから年かわらないのよ!」…。

 ここで、また、私は「むっ!」とした。だって…。うちのクラブでは3浪しても一年生扱い。中学の先輩後輩が逆転した例もある。この理論は通用しないのだ。

 しかし、彼女は悪びれることもなく「きーど!」と呼び続けていた。先輩も先輩だ!「きーど!」と呼び捨てにされて「おう!元気か?」などと嬉しそうだ。「キーッ!」女子大生は得だ!と思ったが…。チョット可愛かったので、いつしか、私も許してしまった。「ター子じゃあしょうがないか!」。そして、思った「映画研究部って自由でいいなー!」。学生時代は無いものねだりである。

 

 彼女が三年ぐらいの時だろうか…。女子大生が監督するポルノ映画の企画が持ち上がった。劇場公開するポルノを女子大生監督が撮るというのだ。その監督がター子さんだった。当時、落研の一年生女子に聖子ちゃんカットの天然な部員がいたのだが、ター子さんに「映画に出ない?」とスカウトされたそうだ。「ポルノ」と聞いて断ったそうだ(そりゃあそうだろう!)。

 

 キャンパスを颯爽と歩く、ター子さんは、やはり、背筋が伸びて格好良かった!学生生活を楽しんでいる様に思えた。毎日、ウケずに悩んでいた私とは「天国と地獄」の違いである。

 

 今、ドキュメント映画「掘る女縄文人の落とし物」が公開されている。順次全国公開らしい。監督は松本貴子さん。あの、ター子さんである。

 同級生の活躍は、嬉しいものである。今思うと、あなたは「さん」などつけなくて大丈夫な存在でした。キャラと合っていたもの…。私は同級生でも「さん」を付ける。年上だから…。 

 

 

 

 残念なが、ター子さんの事は書き忘れている青春エッセイ!落研のことばかりです。

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