放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

今頃知ったけど…三木聡監督だった!「大怪獣のあとしまつ」

 前回、映画「大怪獣のあとしまつ」について書いてしまったが…。今、監督が三木聡さんだと知った。

 私は物事にスキだらけだ…。監督の名も確認せずエッセイを書いていた。

 

 三木聡さんは、私と同じ年。三谷幸喜さんもそうだ。同世代屈指のスター放送作家である。

 

 三十年程前。私は深夜番組の特番「世界で一番くだらない番組」(フジテレビ)を見て衝撃を受けた。あまりにくだらなく、センスがあり、自由で破天荒で、魅力満載なのだ。マニアックなのにチャント発信している。心に刺さるギャグが凄かった!番組のエンドロールで三木聡の文字を見て、憧れたものだ。

 

 私は当時、名古屋でやっていた番組で「世界で一番くだらない番組」のギャグを応用してミュージシャンにやってもらったことがある。

 公開生放送の会場が笑いに包まれた。私としてはオマージュで、スタッフにも「見た番組の応用」と伝えてあったので問題はないのだが…。あまりのウケ方に…自分の才能の無さに落ち込んでしまった。発想を貰っただけで、こんなにウケるなんて…。まさに脱帽してカツラを外す思いだ(カツラではありませんが…)。

 

 当時、同じ事務所に居た女性作家に「三木聡という作家は凄いね!」と言うと…。「三木さん?私、知り合いだよ!今度、合わせるよ!」

 何と簡単な…「友達だから」みたいな、いかにも若者会話である。私はセッティングされた飲み会へと向かった。

 

 ドキドキしながら行くと…。その店にバイクが置いてある。中に入ると何も飾らない服装(ジーンズに皮ジャンだったような気がする)の三木さんが居た。

 話を聞くと「酒飲めないんでお茶ですいません」と言っている。私と会う為に、下戸なのにわざわざ来てくれたのだ。店の表のバイクは三木聡さんの物だった。

 

 私は同級生なのに、ファンがスターに接する様なキラキラした目で質問していた。

 中でも気になった「世界で一番くだらない番組」のギャグついて聞いてみた。私が発想を貰って番組でやってしまったことを詫びた。

 そして「あの発想はどなたのものなんですか?」と聞くと…。「あれは…若手のネタなんですよ!面白かったんでやってみたらはまったんです」。

 何と!素直な人だ!「若手の発想」とハッキリ言って褒めていた。サスガは大物である。

 

 ちなみに、そのギャグは…。マージャンをやる男達の映像に、井上陽水の「最後のニュース」の替え歌のBGMを流すというもの。替え歌は多分…神無月さんではないかと思う。マージャンの映像に合わせて替え歌が進行して…。例えば♪今、ポンしたいけどテンパイがバルから~無理して積もるんでしょう~ ♪そしたら、隣が次のツモでいきなりリーチして、男は悔やむんでしょう~!

 と言う様な麻雀の心の葛藤が替え歌で続くというシュールなものだった。

 

 酔った私が質問を浴びせまくると…。三木さんは時計を見て「そろそろ、スイマセン!帰ります。今日は面白かったです!」とバイクにまたがると颯爽と去って行った。

 今思うと、自分はお茶だけで退屈だったのかもしれない…。

 

 それから、十年後ぐらいだろうか…。実は「〇▽ひー」という番組で私と三木聡さんは同じ番組の構成作家としてスタッフロールが流れたことがある。

 しかし、残念ながら会議で逢うことは無かった。これは、私の事情なのだが…。同じ時間に地方で別の会議があって、その番組の会議に出られなかったのだ(アイディアは送っていましたが)。

 

 結局。私は一度しか会っていない。向こうは多分忘れているだろう?でも、私は「大怪獣のあとしまつ」絶対観ます!またも、ヒーローに憧れる少年の目だ!

 

 もし、どこかで会ったら…。「シティーボーイズショー」のことや「時効警察」のことも聞いてみたいものだ。

 

 

 今回のエッセイは「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」の番外編みたいになってしまった。「大怪獣のあとしまつ」ヒットを祈願して…。無料公開です。

 まさか自分がこんな仕事に付くとはまったく思っていなかった頃の、記録です。売れ行きは…とても言えないほどである。

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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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