放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

とある落研生に会った!

 プロデュースしているプロの落語会で、とある偏差値の高い大学の落研生に会った。前座のさらに前座として学生が落語を披露している会だ。

 口調が良く、プロの二つ目で有望な噺家を見ているようだ。

 

 彼は人なつっこく、大人にビビらず質問してくる。礼儀正しく感じが良い。言われなくともかたずけまで手伝う気の利く奴だ。

 

 彼は「プロの噺家になりたい」と言う。

 

 最近の落研生は自ら「プロになりたい」と言ってくる学生が増えた様だ。落語がそれだけ仕事として認知されたのかもしれない。

 40年程前の落研では「プロになりたいんです」などとは思っても言えなかった。当時は親の大反対で断念する方が多かった。仲間や先輩にも、とても「プロになりたい」などとは言えなかった時代である。

 先輩に「お前みたいなヘタな奴がなってどうするんだ!まずは、俺よりウケてみろ!バカ!」と言われておしまいだ。

 

 つくづく、良い時代になったと思う。「職業選択の自由」が演芸界にも来ているのだ。

 

 

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