放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

柳家紫紋さんが……

 ネットで柳家紫紋さんの訃報を見た。ご冥福をお祈り致します。

 

 紫紋さんには少し思い出がある。とある番組で紫紋さんのネタを作ったことがある。その時、提供した「鈴虫売り」が転んで「もう、売り物にはなりません。♪テントウムシになりました~!」と唄うネタを気に入ってくれて「これ、寄席でもやっていいですか」と連絡を頂いた。それ以来「寄席で頻繁に、このネタをやってくれた」のが嬉しかった。番組で提供したネタは放送に対してギャラが出ているので、後で本人が使っても文句は言わないのだが、筋を通して作者の承諾を得るところが律儀である。

 

 数日後、紫紋さんから電話があり「新ネタを書いてくれませんか。ギャラは払いますから…」とのこと。得意ネタの「長谷川平蔵シリーズ」ではなく「まったく新しい形を作って欲しい」とのことだ。

 ありがたいお話だが、ナマケモノの私は「今、忙しいからやりたくないな!」との思いが脳裏をよぎってしまった。つい「今、チョット無理です!すいません!」と言ってしまったのだ。

 

 普通の作家は無理しても受ける話だが…。私は本業が「放送である」という気持ちが強い。その時、抱えていた大変な仕事で精一杯で、片手間にやると「適当なネタ」を出すことになるのを恐れてしまった。

 それだけ「自分に自信がなかった」とも言える。ヒマと時間がないと書けないのは才能が凡人の証拠である。

 私の知る売れっ子作家は、まったく時間が無いのに瞬時に天才的な設定を出し、その場で書き上げていた。そして、面白かった!「そんな真似は私には出来ない」と、いつも思ったものだ。

 

 紫紋さんの訃報を聞いて、そんなことを思いだした…。チョット悔いが残る…。

 

 

 

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「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」も出てます。

 

直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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