放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

大学の後輩・春風亭柳若君が真打に成る!

 その昔。東海大学落語研究部にOBとして顔を出した時。1年生で「今日クラブに入りました」という男がいた。

 

 頭下位亭豊水と名付けられた男だ。OBとしては、一年生がすぐ辞めないために優しい言葉をかけていた。私「落語好きなの?」「好きです」「珍しいね!」「そうですか?…」

 話を聞くと鹿児島県出身で、県内有数の進学校を出ている。確実に高校時代ビリだったことが分かる。しかし、この、進学校の劣等生は地頭が良い。中学ではトップなのだ。過去の落研で大活躍した部員に多いパターンである。

 

 この男、豊水は私に落語の蘊蓄を語り出した。「先代の金馬師匠のエピソードにこんなのがあって…」「えっ!そうなの?」「可楽の渋さも好きですね」「そうなの!」私よりすでに知識が豊富だった。私の知識が浅いことを悟られない様に冷や汗ものだ。

 

 私は「落語はやったことあるの?」と聞くと「無いです」「多分、君は上手いと思うよ!」

 

 彼は二年生の時に観たが、すでに、相当な腕となり。「黄金の大黒」をやり大きなホールで笑いをとっていた。

 

 豊水君は卒業するとIT関連の会社でサラリーマンを始めた。私はOBの集まりで豊水君に会うたびに「噺家になったら。いけるよ!今、錦之助(現・今輔)もやってるけど…一緒に出て、同じようにウケてたじゃないか…」等と、冗談で言っていた。

 私はあくまで「冗談のネタ」として言っていたのだが…。

 

 10年が過ぎ…。電話がかかって来た…「先輩!会社辞めて噺家になることになりました」「えっ!」

 私は「ズシリ」と責任を感じてしまった。「半分冗談」だったのに、本当にプロになるとは…。「もし、失敗したら申し訳ない」そんな気持ちで一杯だった。

 

 私は先輩の春風亭昇太さんに言った。「今度、入ったウチの後輩は、いいですよ!1年の時からしっかりしてました。多分、続くと思います」私はせめてもの罪滅ぼしに褒めておこうと思ったのだ。

 

 豊水君は、瀧川鯉茶と言う名で前座を始めた。後で聞いたのだが…。鯉茶が楽屋で初めて昇太さんに会った時。昇太「東海大の応援歌唄ってみろ!」いきなりのフリに鯉茶は大声で♪東海~!東海~にしこんろんの山の波~…」と歌うと…。昇太さんは「よし!分かった!お前は良い!でも、1カ所歌詞が間違ってた!」と言ったそうだ

 皆様お気づきの通り。この豊水→鯉ちゃとなったのが、現在の柳若君である。真打の時は漢字を変えて「柳雀」になるそうだ。

 同時に昇太さんの弟子・昇也が真打になるのも面白い。

 

 柳若君!真打昇進おめでとう!みんな「私のお陰です」…いや、自分の功績です!

 

 

 

 

 

下は、春風亭柳若さんも青春期を過ごした東海大落研のドキュメント!

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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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