仲の良い落語家さんから「今も落語出来ますか?」と聞かれた。「話すだけならできるよ。うまく出来ないけど…」「老人ホームの無料の慰問、行きませんか?我々は行けませんが、時々、頼まれる時があるんですよ。その時、紹介しますよ」
困ったが…。ワクワクした。「あれ、また、落語が出来るのかな…?」と思う私が居た。
40年前にやった落語を小声で喋って聞いてもらった。すると「声が聴きやすいから大丈夫ですよ。老人ホームで何回かやって、その後、会場でやりましょうよ!」
「いや!それは、恐いな…」「二回も老人ホームでリハビリすれば、もう、出られますよ!」
「ええええ~!」まさか、自分の会にシャレで出そうとしているのだろうか?それは、あまりに怖い!
私は断らずに家に帰ったが…。
ワクワクするのだが…。寝ていてもうなされる!本当に40年も人前でやっていない落語など出来るのか?
数年前。飲んで居る時、先輩に「やれ」と言われてやったことはあるが、一応、落ちまでやったけど、これと言って笑いは起きなかった。
今、人前で出来るのか?やはり、寝ていてもうなされる。
今、メールで「しばらくは勘弁して下さい」とメールをした。「絶対出来ない」と書かないところに…。変な未練が感じられる。
学生時代、さん喬師匠の前に出て、大きな会場がわいた!あの、興奮を良い思い出のままにしておいた方が良いのではないだろうか?
本格派で上手かった「落研の先輩達」は、今やっても上手い人が沢山いるが…ヘタだが素人のフラでウケていた者は、中々年取ってやる勇気が出ない。
シラケタ「変なオッサン」にしか見えないのが怖い!
誰か、絶対笑う甘いお客を一杯にした会場で出してくれれば良いのに…。学生時代に養護老人ホームでシラケタ苦い思い出が、今ものしかかる。
「ここは逃げるが勝ち」となってしまう…。
年寄心は乙女心以上に複雑である。
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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…
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