放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

東海大学・落研時代!部室で怒られた!

 前回のエッセイで学生時代の「全国老人ホーム慰問旅行」のことを書いたら、昔の記憶が繋がったのだろうか?ふと!思い出したことがある(本来なら「嗚呼!青春の大根梁山泊東海大学・僕と落研の物語~」に入れるべき文章だが、どうせ売れないので、ここで披露します)。

 

 昭和55年。東海大学落研一年生の私は、毎日、部室へと通っていた。先輩達の天才的なフリート―を聞くためだ。

 

 そこでは、毎日、昨日体験したばかりの爆笑トークが披露されていた。何故?先輩達は毎日面白いことに遭遇するのだろうか?私はそれを聞いているだけで幸せだった。

 

 そんなある日。先輩達の笑い話を聞いたあと、一段落して部室の奥に座ろうと、置いてあった三味線をまたいだ。

 すると、二年の女性部員・味彩さんが激しく怒った!

 

 「こら!三味線をまたぐな!」

 「えっ!」

 

 私はあまりの剣幕にビビッてしまった。「あっ…スイマセン!」

 

 「三味線は、下座班の命です!謝りなさい!」 

 「すいません」

 「私じゃない!三味線に謝れ!」

 「すいません」

 

 それを見ていた先輩達が陰で笑っていた。三年の委員長・二代目・甘奈豆さんが小声で言った。「黒舟、言われてやんの!お前はキジだな!」

 何故か、この頃、ダメな奴を「お前はキジだ!」という流行りがあった。その語源は未だに知らない。

 

 それから、数日後。二代目・甘奈豆さんが部室で「寄席文字のめくり」を書いて乾かしていた。次の落語会に使う出演者名を書いた紙である。

 部室に何枚も並べて乾かしているので足の踏み場が無い。私は、つい、またいでしまった。すると、甘奈豆さんが烈火のごとく怒った!

 

 「こら!寄席文字をまたぐな!」

 「あっ…スイマセン!」

  「寄席文字は命だ!謝れ!」 

 「すいません」

 「俺じゃない!橘流寄席文字に謝れ!」

 「すいません!キジでした!」

 「バカ野郎!キジ!とかふざけたこと言うな!いいか、俺は落語会が成功するように魂を込めて書いてるんだ!見ろ!この字を…どう思う?」

 「いや!上手いです」

 「どう上手い?」

 「いや!すき間が均一です。バランスも良いです!」

 「バカだなー!これは、失敗で書き直すんだよ!」ビリビリ!

 

 うちの先輩は、いつもふざけているが落語の時だけは「命をかけている」。私は大きな衝撃を受けていた。

 

 反省して私がおとなしくしていると…。留年して六年生の先輩、のん太さんが入って来た。そして、ヒョイヒョイと寄席文字をまたいで奥に座った。

 

 私は二代目・甘奈豆さんの顔を注目した。すると…小声で言った。

 

 「OBは良いんだよ!」…大学のクラブとは理不尽な世界だ…。

 

 私が四年生の時。後輩に「寄席文字をまたぐな!」と言ったことがある。すると、後輩は「面白いですね!」と笑っていた。

 私が書いた文字では無かったので、その以上は言わなかったが…。「俺たちはまたぐと怒られたんだよ!」と教えてあげた。

 すると後輩は「へえ!そうですか!」と三味線のケースをまたいで座った。「先輩!麻雀しましょうよ!」

 

 ここで怒るのは私のキャラに合わない。そのまま、マージャンをやって私が負けた。私が四年生の時の一年生・吾亜(ゴア)君(現・愛知で金属製品製作の社長)はそんな男だった。

 吾亜よ!反省しなさい!

 

 

 何故か太鼓と着物はまたいでも怒られなかったような気がする。基準がよく分からないが、シャレで怒っていた様な気もする。

 十年程前。部室の三味線を見たら皮が破れて埃をかぶっていた。誰も弾ける者がいないそうだ。橘流寄席文字も誰も書けない。太鼓だけは今も叩いている。
  今はスマホをまたぐと怒られるかも知れない?

 昔のエピソードの濃いところを楽しめるのが、こちらのエッセイだ!

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「嗚呼!青春の大根梁山泊~放送業界編~」も出ました!こちらの文章は、今後も新原稿がアップされる予定です。

 

直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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「青春落語バカの楽しいエピソード」有名劇団の主催者や脚本家、演出家絶賛!

脚本家の穴吹一朗君も稲葉一広さん、神奈川の高校の副校長・木馬君も呆れたエッセイ!

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