放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

ケンとメリーのスカイライン!

 三十年程前。東海大落研の五年先輩で放送作家の高橋正秀さんと仕事をしていた時。

 打ち合わせの後、高橋さんが「俺、知り合いの作家に車もらっちゃってさ~。今、駅前の駐車場に置いてるんだ」と話していた。

 

 車好きのディレクターが「タダですか?いいですね?車種はなんですか?」

 「よく知らないけど、古いスカイラインなんだよ」

 「えっ!まさか、ハコスカじゃないでしょうね?」

 「そんな、良い車じゃないよ」

 

 私は車に詳しくなかったが…。ハコスカは知っていた。他の人気の無い古いスカイラインの廃車寸前を貰った様だ。

 

 高橋さんは、同じ町に住んでいたので、駅を降りると貰った車を見せてもらうことにした。見ると、確かに「ハコスカ」とは形状が違い、そんなに「カッコ良く無い」という印象だった。

 高橋さんは言った。

 

 「欲しかったら、お前にやるよ!」

 「えっ!いや、僕は…マニュアルは恐いです」当時はマニュアルになれていなかった。しかも、車の形も、あまり好みではなかった。

 ダダでくれるぐらいだから、大した車ではなさそうだ。

 

 それから、一年ぐらいで高橋さんは、スカイラインを手放したと思う。

 

 現代の話に飛ぶが…。最近は旧車ブームである。

 

 私の所有する初期型マツダ・ロードスターの中古価格も高騰している。私は二十五年程前に、90万円(30000キロ程)で買ったものだ。

 それが、今や、100000キロを超えても、程度が良ければ、百五十万以上で売られている。

 

 ロードスターでも、その状態だけに、ハコスカなどは程度が良ければ10000000円を超える中古が売られている。

 昔はそんなに人気が無かった「ケンとメリーのスカイライン」も、ものによっては10000000円を超えている様だ。

 

 私は改めて「ケンメリ」の画像を見た。あれ?この形…。

 

 先輩の高橋さんが、タダでもらった、あの、スカイラインと同じ形である。

 

 「ク~!」あの時貰っておけば良かった~!乗らなくても、田舎の実家の庭で保管すれば駐車場代はダダなのだ。みすみすお宝を逃してしまった!

 

 まったく、もったいないことをしたものである。

 

 高橋さんは、多分…廃車にしたんだろうな~!

 

 今は故人となった、高橋先輩だが、お盆に私は天に向かって言うつもりだ。

 「先輩!のん太さん(落研・高座名)、あのスカイライン!今、あれば、お宝ですよ!」

 

 

 

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