放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

災害時にデマが広がる仕組みを体験した!

 四十五年程前。中学三年生の冬のことを思い出した。受験、卒業を控えた時期だが私のクラスには緊張感はなく、男子全員で休み時間に「馬のり」をやっていた。

 

 正式名称は「馬のり」であっているのだろうか?

 一人が立って、二人目が前にかがんで、その股に頭を突っ込む。その次の者はかがんだ人の股に頭を突っ込む。そのまま長く連なってゲームが始まる。

 もう一チームはそこに走ってジャンプ。背中に激しく着地して、スクラムをつぶすのだ。潰れれば、もう一度、同じチームのジャンプとなる。

 つまり、崩れると、ずっと背中や腰が痛くなる。全員が崩れずに乗ると、相手チームの立っている者とジャンプチームの先頭がジャンケン。スクラムのチームはこのジャンケンに勝てば、ジャンプと交代となる。

 

 全国で行われた遊びだと思うが、勝敗に意味はなく、仲間の背中を痛める恐ろしいゲームだ。今なら「イジメ」にあたるとして禁止になるのではないだろうか?

 

 我々がジャンプ側で、大男が激しくジャンプすると、柔道部の熊切君の腰に激しく着地した。ドスン!と音がして…。スクラムは崩れ落ちた。大歓声を上げる我がチーム。しかし、次の瞬間…。熊切君が声を上げた「痛い!痛い!」寝たまま起き上がれない。

 痛みは数分しても収まらず、彼は病院へと運ばれた。

 

 当然、先生はカンカンに怒っていた。

 

 その時。チョット悪ぶった感じの野球部の山下君が言った。

 

 「俺たち、高校行けないかもしれね~な!」

 「えっ!何で?」

 「だって、受験前にこんなことして…。もし、熊切が一生立てなかったら…俺達のせいだろう?この全員、高校受験は無しかもな」

 全員「ええええ~!」

 

 クラスの男子全員の顔が曇った。女子はあきれている。

 

 今、大人になって考えれば「受験停止」などありえないのだが、そこは、田舎の中学生だ。頭が回らない。男子全員で「そうだ!俺達…高校に行けないんだ!」信じてしまったのだ。中には、涙目で「俺、まだ勉強したいよ」と言う奴まで出て来た。私は心で叫んだ!「お前は、勉強嫌いだろうが!」(私もだが…)。

 

 とにかく、クラスはパニックに陥ってしまった。

 

 私は家に帰っても、このことは親には言えなかった。

 

 翌日。暗い顔の男子の前に、朝のホームルームで現れた担任の美人先生・Oが笑顔で言った。

 

 「本当に、あんたたちは、ロクなことしないね~!熊切君は、数日安静にしたら戻ってきます。もう、ああいう遊びはやらないように!」

 

 何事もなく、最後の中学生活が戻って来た。先生は親にも言わなかった様だ。

 

 震災時などに、よく、ありもしないデマが流れて、人々をパニックにすることがある。これは、この時の「中学生と同じ」だと思った。

 

 山下君は今、立派な経営者となっている。

 

 

 

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直木賞には程遠い、青春エッセイを皆様に…

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