東海大学落語研究部の一つ後輩に、頭下位亭独尻(とうかいてい どっしり)君がいる。彼は沖縄の出身だ。今も沖縄に住んでいる(過去のブログにも登場)。
十年以上前のことだが、元フォークダンスDE成子坂の桶田君と私と、「地獄のスナフキン」・金谷ヒデユキさんと、ヘビメタバンドのメンバー「ダマ」(本名は知りません)と沖縄旅行へと出かけたことがある。
一週間ほどの滞在だったので、後輩の独尻君に連絡してお勧めの店に連れて行ってもらうことにした。
その時、連れて行かれたが沖縄名物の「ヤギ肉」の店なのだが、匂いがきつく、とても食べられない。市場などで出している「ヤギ汁」は、一般向けに臭みを抑えているようだ(これは私も食べられる)。
まず、出された「ヤギの刺身」の臭さに、私は音を上げた!
とても、口に入れることはできない。すぐ吐き気が襲ってくるのだ。もはや、落語の「チリトテチン」のレベルである。
私は独尻に聞いた。
私「沖縄の人は、本当にこれが好きなの?」
独尻「お年寄りの人は好きなんですが…若者は嫌いです。これは、我慢して食べるものです」
私「何でそんなもの食わせるんだよ?」
独尻「その方が、思い出になるでしょう?旨いものは自分で食べて下さい!」
なんとも変な理論だ!
これは、滋賀の人がすすめる「フナ寿司」と同じ感覚なのかも知れない。
私には迷惑この上ない。聞くと、この店は観光客は絶対来ない、ディープな店だと言う。
私が食べるのを拒否していると、桶田君が「食べてみましょう!」と一切れ口にした。「ううう~ん! 食べられないことはないですよ」
すると、金谷さんも口にした!「うう~ん!二度と食べたくない!」
やはり、芸人になる人は好奇心が旺盛で「悲惨な目」にあうことに成れている様だ。
不味いと言いながら、一皿ほとんどを平らげている。
桶田「小林さんも、変な後輩紹介した責任で食べて下さいよ!」
私「えっ!」
私は無理やり口にしたが、オシボリに吐き出してしまった。
私が美味しく食べられるのはクサヤが限度である。
さらに、私は店に入った時に気になったことを聞いてみた。
私「隣のお店は、薄明りにオバサンが一人椅子に座ってるんだけど…。あそこも「ヤギ肉」の店なの?」
独尻「ああ~!あれは、個人でやってる青線です!」
私「おいおい! どんな地域なんだよ!」
独尻「思い出になったでしょう?」
そのおばさんは60過ぎに見えた。当然だが、客はまったく居ない。店舗は自宅なのだろうか?
私「あのオバサンの仕事、成立してるのかよ?」
独尻「地元の人も行かないでしょうね!」
お客が居なくても続けている持続力は立派だ。
沖縄の文化は奥が深い。私の不快な夜もふけていった。
あの店は今もあるのだろうか、今度、沖縄に行ったら…。絶対行かないだろう。
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