放送業界のお話と落研と私的な思い出(瞳尻・黒舟)

「嗚呼!青春の大根梁山泊~東海大学・僕と落研の物語」スピンオフ・エッセイ。放送関係。業界のエピソードと近所の出来事

静岡県磐田市と落語・講談!そして…

 私は静岡県磐田市で生まれた。磐田北高校の付属幼稚園から、磐田北小学校。そして、城山中学と、ずっと、旧東海道・見附の宿界隈で育った。

 

 最近、知ったのだが…。磐田北小学校の敷地は「磐田城」の跡だという。近所のお寺に「土塁」(どるい)と呼ばれるお城の盛り土が残されている。これは、春風亭昇太師匠の本「城歩きのススメ」を見て刺激され、調べてみたのだ。

 確かに北小学校は川沿いにある。川はお堀の代わりだったのかも知れない。

 しかし、小学校の先生にそんなことを聞いた覚えがない。知らなかった可能性すらあると思う。

 

 古今亭志ん生のインタビューをまとめた本を読んでみると…。師匠の得意ネタ「火焔太鼓」の解説をしている。

 あの火焔太鼓は、元々、静岡の磐田城に有ったお宝で、後に浜松のお寺に寄贈されたというのだ。しかも、二つある太鼓の一つが、お寺から突然無くなって行方不明になっているという。

 つまり、甚平さんが市で買ったのは盗まれたもう一つの太鼓だったのだ。

 「火焔太鼓」の中では「世に二つと言う名器」などと、元々、二つがついの太鼓であることをにおわせている(若手が「世に二つとない」と言っているのを聞いたことがあるが、あれは間違いなのだ)。

 

 私は何も知らず学生時代「火焔太鼓」をやっていた。知っていれば枕で田舎のことを話せたのに、まったくもったいない話だ。

 

 さらに、広沢虎造の「清水の次郎長伝」で、次郎長の兄貴分で見附の「小和田とうぞう」と言う名前が出てくる。

 この話を90才過ぎの父親に聞くと「あれは、小和田友藏(おわだ ともぞう)で地元のお寺にお墓があるよ!」とのことだ。虎造のテープでは「とうぞう」と聞こえるのだが、あれは聞き覚えの間違いなのか? わざと変えたのかは分からない。

 昔は、尋常小学校で小和田友藏のことを教えたそうである。見附の博打打ちの親分だが、次郎長が兄貴と慕ったぐらいだから、相当な人物だったのだろう。

 一度、お墓を見に行ってみたいものだ。ちなみに、森町に「石松の墓」があるが、彼は架空の人物だ(モデルになった人物は居たらしい)。小和田友藏の墓は大丈夫だろうか? 

 

 私の行った城山中学の裏に「城山球場」(磐田球場)がある。ここは、石垣もある城跡風だが、正しくは城を作ろうと途中まで建設したが、井戸が出なくて中止になった場所だという。

 

 私が中学3年の時。この球場で、夏の甲子園の静岡予選1回戦を観に行った。

 対戦は、第一シードの東海大第一高校VS磐田南高校。東海第一は甲子園の最有力校。エースの太田投手は無失点記録を続けていた。

 一方、磐田南は地元一の進学校だが、野球部はポンコツで1回戦をなかなか勝てないチームだった。

 私は、野球部のキャプテンだった安田君に誘われて、試合を観に行ったのだ。

 

 試合は、案の定。東海第一高校の圧勝。7回コールド。しかも、ピッチャー太田にサヨナラ・ランニングホームランまで打たれてしまった。進学校ではまったく歯が立たない。磐田の高校は歴史上どこも甲子園に出たことがない。

 

 その後、太田投手は静岡予選無失点で甲子園に出場。しかし、甲子園1回戦では、バカスカ打たれてしまった。静岡県民が皆頭を抱えたものである。

 

 20年以上たったある日、春風亭昇太師匠に、この話をした。

 すると、

 「その試合、俺、磐田南側で観てるよ!」

 「えっ! 何で?!」

 昇太さんはその時、東海第一高校の2年なので、応援に来たのは分かるが、どうして磐田側のスタンドで観たのだろう?

 聞くと、城の石垣を見ているうちに試合に遅れて入り口近くで観たそうだ。その時、私は同じ空間に居たことになる。縁とは不思議なものである。

 

 ちなみに、この時、試合を一緒に観た安田君は、磐田南の野球部に入り、あの弱い学校をシード校にまで押し上げている。その後、青山学院で野球をやり、報知新聞で六大学の記事を書いた後、今は、東京新聞の記者をしている。社説なども書いているので一読いただきたい。

 

この安田君に、春風亭一之輔のFМラジオ「サンデーフリッカーズ」(JFN)の出演を頼んだことがある。放送日が「箱根駅伝」当日だったので、駅伝の見所解説を頼んだのだ。すると、担当ではないのでと他社の記者を紹介してくれた。

 

 結局、その方、箱根駅伝の当日は取材が忙しくて無理との返事だった。

 

 今回、一之輔とは繋がらなかった。

 

 

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